戦略家たちが批判する金額至上主義 ビジネスマン出身のトランプ大統領は、国防費のGDP比に拘泥している。しかし、NATO諸国はもとより、アメリカの軍事専門家たちの間にも、国防費をGDP比で決定する方針には強い批判がある。 それらの中でも軍関係者や軍事戦略家たちの間で最も目立って主張されているのが、「国防費は軍事的能力を基準として策定されるべきものであるから、軍事的能力ベースの評価が最優先されるべきであり、それ以前に『GDP比2%』といった数字ありきというのは全く誤った方針である」といったものである。要するに「それぞれのNATO加盟国は、適正な軍事戦略に基づいてはじき出された『自国の国防に必要な戦力』、ならびに『NATOに貢献できるだけの戦力』、それらに必要な軍事的能力に見合うよう国防費を算出しなければならない」という主張である。 たしかに、トランプ大統領がこだわっているNATOへの貢献(アメ