8月22日から始まった薄熙来裁判は、26日に結審した。山東省済南市の中級人民法院(地方裁判所)で開かれた公判は、中国版ツイッター微博(ウェイボー)で公開された(リンクはこちら)。 気になるのは、薄熙来裁判を「権力闘争」とする分析が多いことだ。 確かに、無関係な第三者としてはそのほうが理解しやすいし、面白い。だが中国は日本の経済や外交にとっては無関係とは言えない国だ。中国の真相を理解した方が日本の利益に適っている。「権力闘争」と矮小化して面白がっていると、中国が抱える根本的矛盾が見えなくなる。 薄熙来裁判が中国の何を物語っているのかを、本稿で指摘したい。 中国では裁判は建国過程から公開 日本を含め各国のメディアは薄熙来裁判を「異例の公開」として注目した。が、中国では裁判の経過を外部に見せることは決して珍しいことではない。 中国(中華人民共和国)が誕生する過程で、中国共産党側における裁判は民衆