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ブックマーク / huyukiitoichi.hatenadiary.jp (18)

  • ヤドカリやハチやタコの「経験」はどのようなものなのか?──『メタゾアの心身問題――動物の生活と心の誕生』 - 基本読書

    メタゾアの心身問題――動物の生活と心の誕生 みすず書房Amazonこの『メタゾアの心身問題』は、タコやイカがどのような「意識」を持っているのかについて様々な観察・研究をもとに紹介した、『タコの心身問題』の続篇にあたる。 『タコの心身問題』は邦での刊行が2018年で、その後何度も「人以外の生物の心、意識」や「タコの知性について」語る時にこのブログや他所の原稿で何度も取り上げてきたノンフィクションだったが、作(メタゾア〜)もそれに勝るほどの知的興奮を与えてくれる傑作だ! 作でもタコの話題が前作より最新の情報とともに語られているので、ある意味では続篇にしてアップデート版といえる内容に仕上がっている。 タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源 作者:ピーター・ゴドフリー=スミスみすず書房Amazonタコに続いての「メタゾア」なので、当然作ではメタゾアの心と意識について触れていくわけだが

    ヤドカリやハチやタコの「経験」はどのようなものなのか?──『メタゾアの心身問題――動物の生活と心の誕生』 - 基本読書
    zeroset
    zeroset 2023/12/25
    『タコの心身問題』続編。”タコの腕と脳の関係は「1」と「1+8」をスイッチングしている──とするものだ。これは、人間でいう「分離脳」のような状態だという"
  • 竹書房文庫のSFで電子書籍セールが開催しているので、おすすめを紹介する - 基本読書

    竹書房文庫から刊行の《竜のグリオール》シリーズ全作刊行を記念して、竹書房文庫の中でもSFに絞った電子書籍セールが開催されているので(13日まで)、竹書房文庫の布教ついでに紹介しようかと。竹書房はSFのイメージは持たれていないかもしれないが、近年はSF好きの編集者ががんばったおかげで竹書房文庫からばんばんSFが(翻訳SFが多いが、日SFもある)出ていて、しかもどれもおもしろいAmazon.co.jp: 竹書房文庫 SF: Kindleストア 書評家や作家といった業界関係者による投票でランキングを決める年刊ムック「SFが読みたい!」でも竹書房文庫発の作品がいくつも名を連ねるなど、竹書房は今やSFを語る上では外せない出版社の一つになっている。特徴の一つと言えるのは竹書房文庫のSFのほとんどを坂野公一がデザインしており、作品によってはかなり攻めた文庫の装幀がみられること。鮮烈なイメージを残す

    竹書房文庫のSFで電子書籍セールが開催しているので、おすすめを紹介する - 基本読書
    zeroset
    zeroset 2023/11/06
    『竜のグリオール…』買いそびれてたな。kinoppyでもセールやってほしい。表題作は高校生の時に読んで、好きだった一作。セール対象外のようだが、スラディックの『チク・タク…』も出てたんだなあ。
  • 入り組んだイスラエルの歴史、その問題を、解きほぐすように解説していくノンフィクション──『イスラエル 人類史上最もやっかいな問題』 - 基本読書

    イスラエル 人類史上最もやっかいな問題 作者:ダニエル ソカッチNHK出版Amazon2023年の10月7日に勃発した、イスラム組織ハマスによるイスラエルへの大規模攻撃。件については今なお目まぐるしく状況が動いていて日々ニュースが絶えないが、その背景には複雑な歴史や思想があって素人が理解するのは容易ではない。Web記事なども多数読んだが、まとまった情報がほしい時はやはり書籍に限る。 いくつか読んだが、中でもイスラエルの民主主義を達成させるためのNGO、「新イスラエル基金」のCEOの著者ダニエル・ソカッチによる『イスラエル 人類史上最もやっかいな問題』は今年(2023年)の2月に刊行されたばかりのノンフィクションで、現在の事態をフラットに、かといって事実を列挙するだけではない形でイスラエルーパレスチナ間の問題を説明していて、特におすすめの一冊だったので紹介したい。 著者は書を、ある特定の

    入り組んだイスラエルの歴史、その問題を、解きほぐすように解説していくノンフィクション──『イスラエル 人類史上最もやっかいな問題』 - 基本読書
    zeroset
    zeroset 2023/11/01
    "双方の過激主義者は、いずれもこの紛争を、解決できないだけでなく解決すべきでないゼロサムゲームと見ていた"
  • アンチ優生学の立場で、遺伝がもたらす人生への影響を「平等」の観点から考え直す──『遺伝と平等―人生の成り行きは変えられる―』 - 基本読書

    遺伝と平等―人生の成り行きは変えられる― 作者:キャスリン・ペイジ・ハーデン新潮社Amazon近年、遺伝子研究が進展してきたことで身長や顔といった見た目の要素だけでなく、「学歴」のような生涯収入やそれに伴う生活の質に直結する部分も遺伝子の影響を受けることがわかってきた。しかしそうしたデータは気軽に世に出すと、何度否定されても議論が絶えることのない優生学や、何をもってして社会は「平等」や「公平」といえる状態になるかといった、簡単には答えのでない議論を呼び込むことになる。 しかし、実際に遺伝子によって学習能力や最終学歴に差が出るのであれば、議論が難しいからとか、遺伝による差が明らかになると優生学に結びつく可能性があるからと危惧し「遺伝的な差異をなかった/見なかった」ことにするのは間違っているのではないか。それ──遺伝的な差異による富の格差──がある前提で、平等についての議論を進める必要があるの

    アンチ優生学の立場で、遺伝がもたらす人生への影響を「平等」の観点から考え直す──『遺伝と平等―人生の成り行きは変えられる―』 - 基本読書
  • 既存の「わかりやすい」人類史を現代の知識・研究でとらえなおす、『ブルシット・ジョブ』著者の遺作となった大作ノンフィクション──『万物の黎明 人類史を根本からくつがえす』 - 基本読書

    万物の黎明 人類史を根からくつがえす (翻訳) 作者:デヴィッド・グレーバー,デヴィッド・ウェングロウ光文社Amazonこの『万物の黎明』は、世の中にはやってもやらなくてもいいようなクソどうでもいい仕事で溢れているのではないかと論を展開した『ブルシット・ジョブ』で知られるデヴィッド・グレーバーの最新作にして、遺作となった大作ノンフィクションである(単著ではなく、考古学の専門家デヴィッド・ウェングロウとの共著)。今回テーマになっているのは、サブタイトルに入っているように、「人類史」だ。 多くの(特に売れている)人類史には、環境要因に注目したジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』や「虚構」をテーマにしたユヴァル・ノア・ハラリの『サピエンス全史』のように「わかりやすい切り口」が存在するものだが、書(『万物の黎明』)の特徴の一つは、数多語られてきた「わかりやすい切り口」の「ビッグ・ヒストリ

    既存の「わかりやすい」人類史を現代の知識・研究でとらえなおす、『ブルシット・ジョブ』著者の遺作となった大作ノンフィクション──『万物の黎明 人類史を根本からくつがえす』 - 基本読書
    zeroset
    zeroset 2023/10/12
    『反穀物の人類史』と似たような視点の本だろうか。
  • 科学の世界に革命をもたらしえる力──『因果推論の科学 「なぜ?」の問いにどう答えるか』 - 基本読書

    因果推論の科学 「なぜ?」の問いにどう答えるか 作者:ジューディア・パール,ダナ・マッケンジー文藝春秋Amazonこの『因果推論の科学』は、その名の通り因果推論について、その先駆者の著者が書いた一般向けのサイエンスである。とはいえ、大半の人の反応は「因果推論ってなんなんだ」であろう。僕も何もわからぬまま読み始めたが、著者がこれは「科学の世界の革命」であると自賛するだけのことはある概念であることはすぐにわかった。 その一方、相当に難しい、とっつきづらい概念でもあり、いかな一般向けの著作といえども書を読んで理解するハードルは他のサイエンスと比べても高いといえるだろう。数式も出てくるし、統計学の用語もぽこぽこ出てくるので、素人がスルスルと読み通せるではない。とはいえ根気強く読んでいけば理解できるように書かれているし(数式自体は別に読み飛ばしても問題はない)、理解すれば因果推論の科学がいか

    科学の世界に革命をもたらしえる力──『因果推論の科学 「なぜ?」の問いにどう答えるか』 - 基本読書
    zeroset
    zeroset 2022/09/16
    相関関係に留まらず、因果関係を取り扱うための統計学について。入門書。
  • 厳重に階層が固定されたミツバチの社会を蜂視点で描き出す、神話的なディストピア文学──『蜂の物語』 - 基本読書

    蜂の物語 作者:ラリーン・ポール早川書房Amazon週刊少年ジャンプにはこれまで様々な打ち切り漫画が生まれてきたが、僕がその中でも最も打ち切りがショックだったのが、マキバオーなどで知られるつの丸による『サバイビー』だった。ミツバチを主人公に、その生態やスズメバチなどの敵との戦いをしっかりと描き出していく異色作。登場蜂物が俺達は群れなのだから一匹死んでも全体が生き残ればいいんだ!! といってスズメバチに向かって腕や足などを欠損させながらも戦いをやめず、虐殺されていくさまは子供心にトラウマを負ったものだ。サバイビー 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) 作者:つの丸集英社Amazon結果的に打ち切りになってしまったわけだけれども、『サバイビー』を読んでいてミツバチって物語の主人公にするには格好の題材だな、と思わずにはいられなかった(『みなしごハッチ』の記憶も関係しているが)。というのも、虫

    厳重に階層が固定されたミツバチの社会を蜂視点で描き出す、神話的なディストピア文学──『蜂の物語』 - 基本読書
    zeroset
    zeroset 2021/06/22
    蜂の生態を人間社会に仮託しているという点で、ボンゼルス『蜜蜂マアヤ』メーテルリンク『蜜蜂の生活』の系譜にある作品なのかな。関連:https://hndm64.hatenablog.com/entry/20100428/1272464340
  • 続きがでなくて悲しかった最近のSFたち - 基本読書

    25日発売のSFマガジン2020年10月号、ハヤカワ文庫SF50周年号で、50周年を記念して渡邊利道さん、鳴庭真人さんと僕の3人で座談会をやっています。 SFマガジン 2020年 10 月号 発売日: 2020/08/25メディア: 雑誌あまり明確なテーマはなくざっくばらんに最近のハヤカワ文庫SFや創元SF文庫について話そう、といったかんじで楽しく話したんですが、その座談会に備えて近年(5年ぐらい)のラインナップを見返したり、どのジャンルが何冊ぐらい出ているのかを数えていたら、「そういえばこれ続きが結局出なかったな……」とか、「というかなんで出なかったんだよ!!」と怨念が蘇ってきたので、供養代わりに記事にしようかと思います。ちなみに早川の編集さんにはその場で続きを出せ! といってます。 ラメズ・ナム『ネクサス(上・下)』 ネクサス(上) (ハヤカワ文庫SF) 作者:ラメズ ナム発売日: 2

    続きがでなくて悲しかった最近のSFたち - 基本読書
    zeroset
    zeroset 2020/08/26
    全然最近じゃ無いけど、翻訳者の死去で中断したワイルド・カードの続き、今でも待ってる。
  • 『暴力の人類史』のピンカーが語る、理性と共感によって未来がより豊かになっていく根拠──『21世紀の啓蒙:理性、科学、ヒューマニズム、進歩』 - 基本読書

    21世紀の啓蒙 上: 理性、科学、ヒューマニズム、進歩 作者:スティーブン ピンカー出版社/メーカー: 草思社発売日: 2019/12/18メディア: 単行この『21世紀の啓蒙』は、『暴力の人類史』で一躍その名を轟かせたスティーヴン・ピンカーによる啓蒙の啓蒙の書である。ピンカーのいうところの啓蒙主義は、『わたしたちは理性と共感によって人類の繁栄を促すことができる』ことに原則をおく。 そして、書でピンカーは、これまで世界は一時的な停滞や後退こそあれど、全体的には理性や共感、科学にヒューマニズムで進歩してきたし、これからもするだろうという「啓蒙主義」が間違っていないのだと擁護・主張する(だから啓蒙の啓蒙の書なのだ)。だが、ピンカー自身が『二〇一〇年代後半は、進歩の歴史とその要因についてを出すのにいい時期だとは思えない。わたしがこのを書いている今、わが国、アメリカ合衆国はこの時代を否定的

    『暴力の人類史』のピンカーが語る、理性と共感によって未来がより豊かになっていく根拠──『21世紀の啓蒙:理性、科学、ヒューマニズム、進歩』 - 基本読書
  • 女子刑務所の日常──『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 女子刑務所での13ヵ月』 - 基本読書

    オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 女子刑務所での13ヵ月 作者: パイパー・カーマン,村井理子,安達眞弓出版社/メーカー: 駒草出版発売日: 2018/04/25メディア: 単行この商品を含むブログを見る有名大学を出たインテリ女性が麻薬密輸に関わった罪で起訴・投獄され、女子刑務所での生活を綴ったNetflixでも大人気のドラマ・シリーズ、『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』の原作が書である。まるでドラマを観てきたかのように語っているが、僕はまったく観ていない。ただなんとなく「女子刑務所ってどんな感じなんだろうな……」と気になって買って読んでみたのだが、これがめちゃくちゃおもしろい! 今のところ今年読んだ中ではベスト・ノンフィクションというぐらいの傑作で、男性も女性も分け隔てなく楽しめるはずだ。当初の目的通りに女子刑務所が実際問題どのような場所なのか? が明らかになっていくのもおもしろ

    女子刑務所の日常──『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 女子刑務所での13ヵ月』 - 基本読書
  • 人類の生存圏を脅かす"新しい時空との対決"を描くイーガン最新刊──『シルトの梯子』 - 基本読書

    シルトの梯子 (ハヤカワ文庫SF) 作者: グレッグイーガン,Greg Egan,山岸真出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/12/19メディア: 新書この商品を含むブログ (4件) を見るイーガンの新刊、文庫である。ただし原書の刊行は2002年。それはつまり15年間時をあけての邦訳刊行になるわけだ。無名の作家ならともかく、あのイーガンがここまで翻訳されていないということは、それはつまり単純につまらないからなのではないか?? と疑っていたのだけれども、読んでみたらこれが抜群におもしろい書の刊行は時期的にいえば『ディアスポラ』のあと、『白熱光』のまえといったタイミングで、イーガンが異なる物理法則に支配された新宇宙の創造、ハードな世界構築の方へと傾倒していく序章のような立ち位置につけている。データ化された人間たち、死の概念の変化とアイデンティティの同一性への不安、どこまでもハー

    人類の生存圏を脅かす"新しい時空との対決"を描くイーガン最新刊──『シルトの梯子』 - 基本読書
    zeroset
    zeroset 2017/12/24
    困ったな、アロウズ·オブ·タイムまだ読んでないのに、これもすごく面白そうだ。ところで、ずっと前に創元から近刊予定のはずだったテラネシアはどうなったのだろう。
  • 早川書房の電子書籍版「海外SFセール」がきたので個人的オススメを紹介する - 基本読書

    早川書房が突然電子書籍版の海外SFセールをはじめたので、SFマガジンで海外SFブックガイドの連載を担当していてかつブログも書いている身なので、これはまあ、さすがになんかオススメとか書いておいたほうがいいかという気持ちになってきたので今この記事を書いている。いろいろな角度からオススメしたいばかりなので全部取り上げられるわけではないが、まあ軽い目安としてご活用ください。 まずはこれを読むと良いのでは?? ハヤカワ文庫SF総解説2000 (早川書房) 出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/07/08メディア: Kindle版この商品を含むブログを見るハヤカワ文庫SF総解説2000。2015年に出た『ソラリス』文庫版によって2000番に到達したハヤカワ文庫SFを記念して、2000冊分のSFを総解説した一冊。ほとんどの作品は340文字で的確に、シリーズ物などは1ページまるっと使って解説し

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  • チャイナ・ミエヴィルによる”革命”の物語──『オクトーバー: 物語ロシア革命』 - 基本読書

    オクトーバー: 物語ロシア革命 (単行) 作者: チャイナ・ミエヴィル,松剛史出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2017/10/05メディア: 単行この商品を含むブログ (1件) を見る書『オクトーバー: 物語ロシア革命』は、SF・ファンタジィを軸とした奇想、奇作よりの小説家として知られるミエヴィルによる、ロシア革命の物語である。読み始める前は、小説じゃないのか〜と今いちノリきれなかったのだけども、読み始めてみればイントロダクションからして完全無欠にミエヴィルの”物語”に仕上がっている。 題材である1917年のロシアの、動乱に次ぐ動乱、混沌とした蜂起、現実に存在するとは思えないほど特異な人物たちのおもしろさも相まって、結末のわかっている歴史にもかかわらず、ミエヴィルの小説を読むようにしてドキドキしながら最後まで読み切ってしまった。小説家ミエヴィルのファンにも一点の曇なく薦められ

    チャイナ・ミエヴィルによる”革命”の物語──『オクトーバー: 物語ロシア革命』 - 基本読書
    zeroset
    zeroset 2017/10/14
    なんと、ミエヴィルの歴史ノンフィクション。読みたい。
  • ハヤカワ文庫補完計画作品を全部読んで/レビューしてのあとがき&目次 - 基本読書

    早川書房70週年を記念して行われた『これまで小社の歴史を彩ってきた名作・傑作70点を、新訳・復刊・新版で装いを新たに刊行してまいります。』という、「ハヤカワ文庫補完計画」に勝手に乗って全レビューしていたのだが、これが終わった。最初は1点につき1500字くらいの簡単なものを予定していたのだが、それでは到底不可能なことがわかり結局どれも3000字ぐらいかけて格的に書いてしまった。 とはいえ普段レビューを書いていない人間が突然書き始めたわけでもないし、普段書いている記事の一部分がこの企画にとって変わっただけでもある。やり遂げたという感じでもなく、あれ、終わったのか、という呆気なさの方が強い。なんとなく「終わったらあとがきを書こう」と決めていたから今これを書いているけれども、特に何か書くことがあるわけでもなかったりする。まあ書いていれば何か出てくるでしょう。 なんでこんなことをやろうとしたのかと

    ハヤカワ文庫補完計画作品を全部読んで/レビューしてのあとがき&目次 - 基本読書
    zeroset
    zeroset 2016/04/21
  • 「新しい」視点での生命史──『生物はなぜ誕生したのか: 生命の起源と進化の最新科学』 - 基本読書

    生物はなぜ誕生したのか: 生命の起源と進化の最新科学 作者: ピーターウォード,ジョゼフカーシュヴィンク,Peter Ward,Joseph Kirschvink,梶山あゆみ出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2016/01/14メディア: 単行この商品を含むブログ (2件) を見るこれはおもしろい! 邦題だと「生物誕生の謎を解き明かす」一冊に思えるかもしれないが、原題は『A NEW HISTORY OF LIFE』で新しい観点からの生命史を語り起こすことをメインコンセプトと作品だ。生命史はこれまで良書が幾つも書かれてきたし、いまさら「新しい」も何もあるんだろうか? と思うかもしれないが、実験手法も変化したし、計器が進歩して新たな事実が明らかになった部分もある。 たとえば、地球の原初の状況など幅広く分析する地球物理学のような研究分野は20世紀後半に大きく発展したものだ。そうした純粋

    「新しい」視点での生命史──『生物はなぜ誕生したのか: 生命の起源と進化の最新科学』 - 基本読書
  • 「読まなくてもいい本」の読書案内:知の最前線を5日間で探検する - 基本読書

    「読まなくてもいい」の読書案内:知の最前線を5日間で探検する (単行) 作者: 橘玲出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2015/11/26メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るこれはコンセプトが明快でシンプルな構成のなのであまり紹介するようなところはないのだが、面白かったのでちょっとだけ。ようは、「この世にはが大量にあって全部なんか読んでらんないんだから、まずは読まなくてもいいを知っておいたほうがいいんじゃない」といっているわけだ。そりゃもちろん読まなくてもいいを知っているならばそれに越したことはない。 しかしなかなか難しいというか、当てはまらないものがある事に気がつくだろう。「ドストエフスキーはもう古いから読まなくてもいいよね」とは、基的にはならないし。だから、書で取り上げられるのは基的にノンフィクション分野である。それも具体的に「これとこれは

    「読まなくてもいい本」の読書案内:知の最前線を5日間で探検する - 基本読書
    zeroset
    zeroset 2015/12/09
    「「読まなくてもいい本」を知ろうと思って買ったら「その分野を知るためには読んでおいたほうがいい本」を大量に知る羽目になったという罠本であるが」
  • これはひどい──『動くものはすべて殺せ――アメリカ兵はベトナムで何をしたか』 - 基本読書

    動くものはすべて殺せ――アメリカ兵はベトナムで何をしたか 作者: ニック・タース,布施由紀子出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2015/10/02メディア: 単行この商品を含むブログ (1件) を見るこれはひどいとしか言いようがない。 書はアメリカ兵によるベトナムでの残虐な行いを軍による調査資料と、現地の人々や帰還兵へのインタビューから炙りだした一冊である。もちろん人が殺し合う戦争という極限状況において強姦や無意味な殺戮、拷問といったことが起こることは仕方がないとは言わないまでも「そういうこともあるだろう」と納得する部分もある。 あるが、書の面白さはそのようなある種の前提を悠々と超えて「これはひどい」と思わせる点にある。その上、ベトナム戦争で行われていた残虐行為がこれまではほとんど表沙汰にならなかったのも「これはひどい」と思わせるものだ。『ベトナム戦争が勃発して以来、この扮装を

    これはひどい──『動くものはすべて殺せ――アメリカ兵はベトナムで何をしたか』 - 基本読書
  • 問題を正しく認識する為に──『世界を破綻させた経済学者たち:許されざる七つの大罪』 - 基本読書

    世界を破綻させた経済学者たち:許されざる七つの大罪 (ハヤカワ・ノンフィクション) 作者: ジェフマドリック,Jeff Madrick,池村千秋出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/08/21メディア: 単行この商品を含むブログを見る原題は「Seven Bad Ideas How Mainstream Economists Have Damaged America and the World」なので特定の経済学者をやり玉にあげて叩き潰すようなではなく(個人名は上げて指摘されるけど)主流派経済学者たちに受け入れられてきた経済理論の間違いを淡々と指摘していく一冊である。誰しも間違いを犯すし、それは経済学者であっても例外ではない。 つまり当の問題とは、「問題のある経済理論を考えたり、現実に施行してしまう」ことではなく、そうした問題のあるプロセスと結論に対して自己批判が行われず、改

    問題を正しく認識する為に──『世界を破綻させた経済学者たち:許されざる七つの大罪』 - 基本読書
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