「20代は○○だ」「Z世代は××だ」。年代や世代で区切って生活者を理解しようとするアプローチは、マーケティングの定石だろう。だが、実は年代・世代で意識や価値観に違いがなくなってきているとしたら……。こんなまさかの現象を、博報堂生活総合研究所は「消齢化」と名付けて分析を進めている。本特集では、消齢化をフックに、年代論・世代論の在り方を再考していく。第1回は消齢化の実態とその先について深掘りする。 長期時系列調査で見えてきたのは、年齢層による価値観の差が小さくなってきている項目が多くあるという生活者の変化。マーケティングはどう変わるべきか。出典:博報堂生活総合研究所「生活定点」調査 2023年1月、日経クロストレンドでは、博報堂生活総合研究所(以下、生活総研)が30年間にもわたる長期時系列調査「生活定点」のデータを基に発表した「消齢化」について取り上げた。消齢化とは、「生活者の意識や好み、価値