今回は、ワクチンにまつわる論文が捏造(ねつぞう)された話を紹介したいと思います。 ワクチンについての捏造論文は1998年、医学雑誌『ランセット』に発表されました。この雑誌は、論文捏造で問題になっている高血圧薬「ディオバン」の論文が掲載されたのと同じ雑誌ですが、医学の世界では権威のある雑誌とみなされています。 発表された論文は「麻疹、風疹、おたふくの3種混合ワクチンによって自閉症が引き起こされる」というものでした。12人の自閉症患者を調査したところ、8人がこの3種混合ワクチンを受けているという結果から導き出した結論でした。 この論文の影響は世界に大きな影響を与えました。論文発表前、90%を超えていたイギリスのワクチン接種率が、発表後は60%にまで低下したと報告されています。 その後、この論文は捏造であったことが明らかとなり、2010年には撤回されました。著者のウェイクフィールドは医師免許を剥