認知症でないのに富山県から報徳会宇都宮病院に連行されて強制入院させられたとして、富山市在住の元福祉施設経営者の男性(80)が8日、運営法人と担当医らに対し約1470万円の損害賠償を求める訴訟を宇都宮地裁に起こした。 訴状によると、男性は2018年12月、富山県内の勤務先から民間救急業者によって約5時間かけて同病院に連行された。認知機能検査を受けずに老人性認知症妄想型と診断を受け、医療保護入院となった。金銭トラブルで対立していた家族から申告があったという。入院後、非認知症と判定されたが、37日間退院が認められず向精神薬の服用を強いられ、退院後も副作用が続いた。 原告側は8日、診断した医師2人について、監禁の疑いで刑事告訴状を宇都宮地検に提出した。代理人弁護士は「明らかに必要のない入院。病院は医療保護入院の利益しか考えていないのでは」と批判した。 病院側は取材に「訴状を読み込んだり、内部で調整