米オクラホマ州の先住民の女性(21)が流産した後、故殺罪に問われ裁判で有罪となった。人々から怒りの声が上がったが、そうした経験をしたことがある女性は彼女だけではなかった。
自宅で大麻を所持していたとして、俳優の伊勢谷友介さんが9月8日、警視庁に大麻取締法違反容疑で現行犯逮捕された。 ワイドショーやスポーツ新聞はいつものようにセンセーショナルに報じ、伊勢谷さんが出演したドラマの配信も停止された。 「問題児が輝ける機会の提供」を掲げて伊勢谷さんらが開校した「Loohcs(ルークス高等学院)」は、「誠に遺憾であり、また教育事業を行うものとして、その責任を痛感しております」と謝罪文を掲載した。 大麻は日本で確かに違法薬物とされている。だが、その健康被害ははっきりしていない。つまづいた人をさらに叩きのめし、再起しづらくすることを私たちの社会はなぜ繰り返すのか。 BuzzFeed Japan Medicalは、薬物依存症が専門の国立精神・神経医療研究センター薬物依存研究部長、松本俊彦さんに緊急インタビューをした。 大麻の場合「刑罰」もおかしいが「治療」も必要か?ーー有名
依存症は誰の身にも起こりうる“現代病”である。コラムニストのオバタカズユキ氏が田代まさし容疑者について考察した。 * * * 今月6日、タレントの田代まさしが覚醒剤取締法違反(所持)の疑いで逮捕された。2001年12月に同違反で捕まってから、実に5度目の違法薬物での逮捕。ニュースで知った時は、「またまたやっちまったのか……」と私も正直呆れたし、「これは世間からありったけの罵詈雑言を浴びることになるぞ……」と思った。 ところが、である。さっそく各マスコミが大きく報じても、その論調は意外とおとなしく、「薬物の闇はどこまでも深い」といったふうに無難なまとめ方をしているところが多かった。ふだんは煽ってナンボの商売をしているスポーツ新聞系のウェブニュースやテレビのワイドショーなども同様で、薬物依存の怖さを過剰なほど強調することはあっても、田代の人格否定に走るような乱暴な表現はほとんど見かけなかった。
[ニューヨーク 23日 ロイター] - 米政府は23日、オピオイドの流通で患者の安全より利益を優先した疑いで、薬販売大手のロチェスター・ドラッグ・コーポレーティブ(RDC)と幹部らを刑事告訴した。オピオイドを巡る薬販売大手に対する刑事告訴は初めて。 RDCは2000万ドルを支払うことで同意し、訴追延期合意を交わした。独立した3年間の順守監視を条件に営業を継続でき、諸条件に適合すれば訴追回避も可能という。 同社は2012年1月から17年3月まで、不適切使用の内部警告が出ていたにもかかわらず、オキシコドンやフェンタニルなどの規制薬物を流通させ、麻薬法に違反したと認めている。 バーマン連邦検事はこの警告について、注文規模や現金払いの薬局顧客、法執行機関の捜査対象などになっている医師処方箋の激増が含まれると説明した。 検察側は、同社が12年から16年にオキシコドンなど疑わしい注文約8300件を特定
女性である私が、女性の敵である性犯罪者に会う。ここにきてもなお、逡巡がないと言えば嘘になる。そもそも知人女性の存在がなければ、私はこの待合室に座ってはいない。 被告の名は、栗田良文(36)。2016年6月、電車内で泥酔していた女性を自宅アパートに監禁、わいせつな行為を行ったとして神奈川県警相模原署に逮捕された。「お姫様抱っこ監禁事件」として、マスコミを賑わせた男だ。 「あっ、良文くんだ!」 逮捕を報じる映像を見た瞬間、女性はすぐに気づいた。「あっ、良文くんだ!」。児童養護施設職員だった当時、彼女は2歳から3歳の栗田を担当していた。 「あの子は乳児院から施設、里親、そして施設とずっと社会的養護の場で育ったの。なぜ、誰も、彼の問題に気づけなかったの?」 彼女は自分の責任として、家族に内緒で栗田への面会や差し入れを続けていた。その姿に率直に感銘を受けた。と同時に、なぜ、栗田は性犯罪者となってしま
女子マラソンの元日本代表選手だった原裕美子被告(36)が、万引きにより「2度め」の裁判を受けている。「1度め」の公判は昨年11月、宇都宮地裁足利支部で開かれた。これは同年7月、栃木県足利市のコンビニで飲料水や化粧品など8点、約2700円相当を万引きしたという窃盗の事案である。同日に言い渡された判決は懲役1年、執行猶予3年。そのわずか3ヵ月後、今度は群馬県太田市のスーパーでキャンディ1袋など3点、販売価格計382円を万引きして再び逮捕起訴された。10月29日に前橋地裁太田支部で開かれた「2度め」の公判で、検察官は原被告に懲役1年を求刑した。 この原被告の2度の裁判で注目を浴びたのは、原被告が摂食障害に長年苦しんできたこと、そして、その摂食障害と“万引きがやめられない病(クレプトマニア )”との関係性だ。原被告は太田市での逮捕後、入院治療に取り組み、退院後の現在は関連施設に住みながら仕事を始め
痴漢には処罰と治療を およそ1年前、朝夕の満員電車で痴漢を疑われた男性が線路上を走って逃げるという事件が相次いで起こり、大きな話題となった。 連日のように大きな事件事故、災害などが起こるわが国では、もはやそれは昔話のような感すらある。 このとき、私は「『科学の力』で痴漢をなくす、驚きの方法」という記事を書き、それが私の「現代ビジネス」での「デビュー」となった。 奇しくもその1年後の今月18日、NHKの人気番組「クローズアップ現代+」で痴漢が特集され(「万引き・痴漢という“病”~刑罰だけでなく治療も」)、私もその番組に出演した。 「現代ビジネス」と「クローズアップ現代+」、そのどちらにおいても私が訴えたのは、痴漢に対して「処罰に加えて治療を」という主張であった。 これらの記事や番組に対し、多くの賛同の声が寄せられたことも事実であるが、同時に根強い反対、感情的な反発も多かった。 痴漢という犯罪
12月13日、ノルウェー議会は、ドラッグを非犯罪化とする改正案を政府に求めることがわかった。 薬物依存症者を「犯罪者」としてではなく、「病人」とする新しい考え方を提唱する。 薬を断ち切れずにいる人を、警察や法が罪人として裁くのではなく、医療・保健機関が助けが必要な病人として接するものだ。 右派・左派の与野党らが合意しており、反対したのは犯罪の厳しい取り締まりを求める右派ポピュリスト政党の「進歩党」と、保守的な傾向がある「キリスト教民主党」のみ。 ノルウェーでは各政党の青年部らも、薬物依存症の捉え方を考え直すように以前から母党に求めていた。 現地の右派・左派の大手新聞社も、この決定を喜んで受け入れている。 これは薬物政策の定義を改め、麻薬を合法化するものではなく、使用を非犯罪化とするものだ。 依存症者が必要としているのは、罰金や刑務所ではなく、思いやりや治療だ。 受け入れることで使用者は増え
万引きなどを繰り返す「窃盗症(クレプトマニア)」の加害者家族に焦点を当てた講演会が10月19日、様々な依存症問題に携わる東京都大田区の大森榎本クリニックで開かれた。 講演会には、加害者家族支援を行うNPO法人「ワールドオープンハート(WOH)」代表の阿部恭子さんが登壇。加害者家族と関わってきた経験から、「ステレオタイプの加害者家族像を壊すことが大事だ」と話した。 ●加害者家族支援の活動を始めたきっかけ 2008年、東北大学大学院で犯罪被害者などについて研究していた阿部さん。ある時、「罪を犯した加害者の家族が自殺している」という話を耳にした。ふと疑問に思い、加害者家族がサポートを受けられる場所を探したところ、その当時は相談機関や支援団体が一つもなかった。弁護士に聞いても、「情状証人として家族と会うことはあっても、どんなことで困っているかというのは把握していない」と言われた。 「加害者家族の存
――多くの男性は「自分は痴漢をしない」と思っているはずです。だからこそ、痴漢冤罪が大きな関心を集めているのではないでしょうか。 私も男性ですから痴漢冤罪は他人事ではありません。それはさておき、痴漢冤罪を声高に主張して肝心の痴漢問題をうやむやにするのは賛成できません。警視庁によれば2016年に都内における電車内の痴漢行為は約1800件(迷惑防止条例違反)起きています。しかも、やはり警視庁の調査によれば、痴漢行為に遭った女性のうち9割近くが警察に通報・相談をしていません。つまり、実際の痴漢行為は少なく見積もっても1800件の10倍以上あると考えられます。一方で、痴漢冤罪が現実にどのくらい起きているのかはわかりませんが、痴漢犯罪よりも圧倒的に少ないと予想できます。 痴漢をする人の特徴は「4大卒の既婚サラリーマン」 ――痴漢をする男性に特徴はあるのでしょうか。 当クリニックでは過去12年間に延べ1
法務省は10日、再犯防止推進計画案のパブリックコメントの募集を始めた。昨年12月に成立した「再犯防止推進法」に基づき、計画を策定するもので、医療分野では、薬物依存症治療の専門医療機関を充実させる必要性を挙げている。募集期間は11月10日まで。【新井哉】 薬物依存症をめぐっては、治療を提供できる医療機関が限られたり、遠方の医療機関への通院が難しかったりして治療を中断する人が少なくない。また、覚せい剤取締法違反で受刑した人の再入所率が高いため、出所後に薬物依存から回復...
以前取材した性暴力関連のイベントで、登壇者が「痴漢防止のためのポスターは『痴漢は病気です。犯罪者になる前に病院へ行こう』という内容ではどうか」と提案したことがあった。アルコール依存症やギャンブル依存症と同じように、「痴漢するスリルがやめられない」人が実際に存在する。性犯罪の加害者治療にあたる精神科医から「『痴漢は犯罪です』というポスターを見ても、痴漢加害者は『自分は優しく触っているから痴漢じゃない』と思い込んでいる」と聞いたことが、この提案の背景にあった。(詳細はこちらの記事) 痴漢は依存症であり、病気。だから再犯防止ための治療が必要であると言われる。一方で、性被害の現場を知る人からは「病気と見なされれば免罪されてしまうことになるのでは。それが怖い」という声もある。 今年8月に刊行された『男が痴漢になる理由』(イースト・プレス)は、痴漢や強姦など性犯罪の加害者臨床に携わってきた精神保健福祉
2017年に入って、電車内で痴漢をしたと疑われてホームから線路に飛び降りて逃げる事件が相次いだ。結局痴漢をしていたかどうかは分かっていないが、これをきっかけに「痴漢冤罪に巻き込まれたらどうすればいいのか」と痴漢冤罪を防ぐ方法に注目が集まっている。 そんな中で「男が痴漢になる理由」(イースト・プレス)という挑戦的なタイトルで、日本初の痴漢の専門書が出版された。著者はこれまで12年間に渡って1000人を超える性犯罪者と向き合ってきたという精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳氏(大森榎本クリニック)だ。 痴漢加害者は一体どういった人間なのだろうか。「必ずしも痴漢は性欲が動機となっている訳ではない」と話す斉藤氏に、痴漢加害者の実態について聞いた。 ●痴漢は「性欲異常者」がやるものだというのは的外れ ーー痴漢をする男性は、「家庭を持った四大卒の普通の会社員」が多いというのは驚きでした。 「痴漢は日常
衝動を抑えられずに万引きなどの窃盗を繰り返す「クレプトマニア」(窃盗症)と呼ばれる精神疾患がある。群馬県渋川市の赤城高原ホスピタルは、その治療の先駆的な病院として全国的に知られている。再犯は防げるのか。病院の取り組みなどから考える。(三浦淳) 頭に回路ができている――。万引きをやめられない埼玉県の50代女性は自らの「症状」をこう説明する。 買い物に行くと、つい、確認してしまう。店員はどこか、防犯カメラは何台あるか。「万引きできちゃうな」という衝動が襲う。 20代後半から万引きを繰り返した。結婚したばかりの2004年からは1年半ほど刑務所に服役した。 出所後、「新婚生活を取り戻そう」と仕事を始め、家計を管理した。夫には、弁護士費用などで負担をかけた。食料費などを浮かせようと、スーパーやコンビニで食料品を万引きするようになった。 見つかれば、土下座で許してもらった。夫から「おかしい」と言われ、
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