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<トランプ以降の分断社会とコロナ禍で疲弊しきったアメリカ人の心を包み込んだ、日本文化の成熟> 濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』は、すでにカンヌ映画祭で脚本賞や国際映画批評家連盟賞などを、そしてゴールデングローブ賞では非英語作品賞を、そして世界各地の映画賞で「作品賞」の栄誉に輝いています。ですから、3月に受賞が決まるオスカーでは、少なくとも外国語映画賞の候補には入ると思っていました。 ところが、先週のニューヨーク・タイムズに、カイル・ブキャナンというロサンゼルスをベースにする批評家のオスカー候補の予想が出て、そこでは濱口監督の名前が監督賞候補に挙がっていたのです。それだけでも驚きなのですが、実際に2月7日に候補作のリストが発表になると、外国語映画賞、監督賞だけでなく、作品賞、脚色賞の候補にまでなっており、合計4部門にノミネートということになりました。 濱口監督の作風、つまり丁寧に時間を
「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が、今週末、アメリカでもついに公開された。アニメーション映画では珍しいR指定(17歳未満は大人の同伴が必要)を受けたことで不利になったかと危惧されたものの、結果は予測を大きく上回る大ヒット。公開前には週末3日間で800万ドルから1,000万ドル前後の売り上げが予想されていたが、蓋を開けてみたら、その倍の1,950万ドルだったのである。これは、外国語の映画として史上最高のオープニング成績だ。 アメリカ最大の映画市場であるL.A.では、コロナのため、昨年3月からほぼ丸1年、映画館が完全に閉まっていた。現在も、定員の50%までという制限がある上、1年も閉めていた影響で、永遠に扉を閉ざしてしまった劇場もある。そんな中でこの数字を上げたのはなおさらすごいことだといえるが、一方では、ハリウッドの新作がなく、作品が少なかったのが有利に働いたとの見方もある。 ランキングでは
米シネコンチェーン最大手のAMCが10月13日に投資家向けに開示した情報によると、2021年年頭にはキャッシュが枯渇する可能性があるという。先週、金融サービス会社による信用調査で格付けが引き下げられ、AMCの株価は2020年に入ってから約44%下落している。AMCがアメリカ国内で経営する598館のうち494館で観客動員数が8割減を記録し、特にニューヨークとロサンゼルスという映画の2大市場が閉鎖されたままなのが痛手となっている。営業を再開している州でも、多くは20%から40%のキャパシティで営業しているうえに、人々の心理的不安が完全に払拭されていないことも動員に大きく影響している。今年7月末、AMCはユニバーサル映画と提携し、映画の劇場公開から17日以内にプレミアム・ビデオ・オン・デマンド(PVOD)でのホーム・エンターテインメント移行を認めた。今年4月にドリームワークスアニメーションの『ト
スケートを通した現代アメリカのポートレイト。『行き止まりの世界に生まれて』ビン・リュー監督インタビュー スケートボードを扱った映画はそのストリート・カルチャー性ゆえに、テレビにはなかなか映らない時代のリアルな風景を切り取ってきた。路上で遊ぶキッズたちが何を見て、何を感じているのかを。そのもっとも新しい成果が、『行き止まりの世界に生まれて』だ。 まったく無名の映画監督が発表したこのドキュメンタリーは、スケートボードを発見したキッズたちの姿を通して、貧困や暴力が蔓延する現代のアメリカ社会の現実を見事にとらえている。ただ、この映画が人びとの胸を打ったのは、何よりもそこにいる「彼ら」が世の過酷さに打ちのめされながらも、懸命に生きようとしているからだ。 本作で長編映画デビューとなる監督のビン・リューは1989年生まれ。幼いときに母親とイリノイ州の町、ロックフォードに移住してきた中国系アメリカ人だ。彼
コロナで存続の危機に直面しているアメリカの映画館が、ありえない妥協をした。これまで3ヶ月が常識だった劇場公開からホームエンタテインメントまでの間隔を、17日までに縮めると決めたのである。引き換えに、有料配信で得られる収益の一部を受け取るというのが条件だ。 そんな衝撃のディールを結んだのは、世界最大の映画館チェーンAMCとユニバーサル・ピクチャーズ。この組み合わせだったところにも、AMCの絶望感がうかがえる。コロナパニックの初期、映画館がクローズしたのを受けてユニバーサルが新作「トロールズ ミュージック★パワー」(日本公開は10月)を20ドルでレンタル配信に出した時、「ユニバーサルの作品はいっさいうちの劇場でかけない」と激怒したのが、AMCなのだ。理由はそれこそ、ホームエンタテインメントまでには3ヶ月を開けるべきということ。なのに、彼らは手のひらを返し、目先の小さな収益のために、劇場ビジネス
『ルース・エドガー』は米首都ワシントン郊外の教育水準の高い街、バージニア州アーリントンが舞台。高校生ルース・エドガー(ケルヴィン・ハリソン・Jr.、25)は文武両道で知られ、討論部の代表として活躍している。7歳で戦火のエリトリアから米国に渡り、名前も英語でわかりやすいルースに変え、白人の養父母、エイミー(ナオミ・ワッツ、51)とピーター(ティム・ロス、59)のもとで育ってきた。そんな経緯も加わって周囲の期待も大きく、成績や態度がかんばしくない黒人の同級生デショーン(アストロ)とは対照的に、教師から一目置かれている。だが黒人女性の歴史教師ハリエット(オクタヴィア・スペンサー、47)はルースに危うさを感じ、疑念の目も向けるうち、互いの関係は緊張してゆく。 『ルース・エドガー』より © 2018 DFG PICTURES INC. ALL RIGHTS RESERVED. もとは戯曲。オナー監督
リック・ダルトンと「1969年のハリウッド」 俳優リック・ダルトンの代表作は、西部劇ドラマ「賞金稼ぎの掟(Bounty Law)」。この番組でリックの代わりにスタントを演じたのが、長年にわたってリックのスタントマンとして活動しているクリフ・ブース(ブラッド・ピット)だ。クリフはリックの付き人として、仕事場への送迎や自宅の雑事なども見事な手際でこなす。そして、さすがはスタントマンである、腕っぷしはめっぽう強い。 当時、ハリウッドのスター俳優とスタントマンは、現在以上に“ビジネスだけでは割り切れない”関係性にあった。たとえば映画史に残る名優スティーブ・マックイーンは、数々の作品でスタントを担当したバド・イーキンスと人間同士の確たる信頼関係を築いていたというし、本作に出演予定だった故バート・レイノルズも、元スタントマンの映画監督ハル・ニーダムと長年にわたり強い絆で繋がっていたとされる。リックがテ
『華氏119』は米大統領選でトランプが勝利を確実にした2016年11月9日の米国から始まる。大手メディアの事前の世論調査が軒並み、民主党候補の元国務長官ヒラリー・クリントン(71)の勝利を予想し、彼女の会場もすでに沸き立っていた中、選挙人による各州の得票数がトランプ(72)優勢と相次ぎ報じられ、米テレビ局のスタジオも呆然とした様子は記憶に新しい。 今作は、全米の総得票数ではクリントンが上回りながらトランプが当選した選挙制度の問題を突きつけながら、ムーア監督の故郷ミシガン州フリントで、トランプ大統領の友人リック・スナイダー知事(60)のもと広がった水道汚染、その街にはアフリカ系が多く住んでいる現状を示しつつ、民主党の立ち位置が共和党に近づくにつれ、労働者や若者の支持を長年かけて失ってきた背景、だから立ち上がろうとする女性や若者などに見いだす希望を、たたみかけるように見せてゆく。 『華氏119
proxia.hateblo.jp でカートゥーン・ネットワークで2010年代に始まって継続中の番組をリスト化したわけですが、つらつら眺めて見るに、80年代生の若手クリエイターが多い。 彼らはいったいどういう人種なのか。 何を食ったらああいうものが出来上がるのか。 傾向を探っていきたい。 対策は特にありません。 あと「海外TVアニメ」っつっても主にアメリカだけです。 アメリカっていうかカートゥーン・ネットワーク関係についてです。 80年代生まれのアニメ・クリエイターたちの特徴: 1. 『ザ・シンプソンズ』 「こどものころ好きだったアニメ番組は?」という問いに対してほとんどのアニメーターが「『ザ・シンプソンズ』」と答えています。『ザ・シンプソンズ』の放送開始は1989年。彼/女らはまさに直撃世代です。(同時に、ディズニーにおける80年代の低迷と90年代の復活を体験した世代でもある) 単純に視
メリル・ストリープ(キャサリン"ケイ"・グラハム)/トム・ハンクス(ベン・ブラッドリー)/サラ・ポールソン(トニー・ブラッドリー)/ボブ・オデンカーク(ベン・バグディキアン)/トレイシー・レッツ(フリッツ・ビーブ)/ブラッドリー・ウィットフォード(アーサー・パーソンズ)/ブルース・グリーンウッド(ロバート・マクナマラ)/マシュー・リス(ダニエル・エルズバーグ)/アリソン・ブリー(ラリー・グラハム・ウェイマウス)/ジョン・ルー(ジーン・パターソン)/デビッド・クロス(ハワード・サイモンズ)/フィリップ・カズノフ(チャルマーズ・ロバーツ)/リック・ホームズ(ミュリー・マーダー)/パット・ヒーリー(フィル・ジェイリン)/キャリー・クーン(メグ・グリーンフィールド)/ジェシー・プレモンス(ロジャー・クラーク)/ザック・ウッズ(アンソニー・エセー)/ブレント・ラングドン(ポール・イグナシウス)/マイ
米カリフォルニア州バークリーにある堤大介さんたちのスタジオ「トンコハウス」で語る桑畑かほるさん=Photo by Giselle Grimaldo ――桑畑さんは共同監督の米国人の夫マックス・ポーターさんとともに、ストップ・モーションの手法を使った短編アニメ『ネガティブ・スペース』でアカデミー賞にノミネート。米東海岸を拠点としながらフランスで製作、プロデューサーは2人とも女性、うち1人はフランス在住のメキシコ人です。撮影監督にも女性がいて、製作チーム全体が多様性を体現していますね。 桑畑かほるさんが夫と共同監督、アカデミー短編アニメーション賞にノミネートされた『ネガティブ・スペース』より © IKKI Films / Manuel Cam Studio 桑畑)「意識して、女性やマイノリティーから成るチームを組みました。プロデューサーも2人とも、様々な国との共同製作をめざして活動しているので
ロサンジェルス近郊にある「宇宙ロケットのジャンク屋」、ノートンセールスを訪ね、いきなりアポロ計画のサターンVロケット、2段目のJ-2エンジンや、月に行ったアポロ宇宙船のエンジンSPSなどと出会い、もう頭がくらくらするほどの衝撃を受けた。 さらにショールームの背後にある広大な倉庫には、宇宙機エンジニアが見たら狂喜しそうな宇宙関連ジャンクの山があった。1950年代以来、航空宇宙産業とつきあいコツコツとジャンク品・余剰品を買い取ってきた成果だという。今では、以前のように簡単に売ってもらえなくなったが、とにかく、単純な買い取りを積み重ねることでこれだけの貴重物の堆積が出来上がった。 さて、では、今、ノートンセールスはどんなビジネスを展開しているのか。 ジャンク屋だから、当然、これらのものを販売しているわけだが、単にそれだけではない。話を聞いていると、大きく二つの部門がある。 レンタルの売り上げが半
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