5月15日にスロバキアのロベルト・フィツォ首相が銃撃された事件は、世界に衝撃を与えた。スロバキア当局によると、フィツォの容態は「安定している」が、回復は「困難な」状態だという。 殺人未遂で逮捕された71歳の年金受給者の名前や詳しい素性は明かされていないが、閣僚は政治的な動機があったと述べている。 「いつ起こってもおかしくなかった」 今回の事件は許されるものではないが、スロバキアの状況を鑑みるに、ある意味では起こるべくして起こったものかもしれない。ある市民は、米紙「ニューヨーク・タイムズ」に対し、「もっと早くにこのようなことが起こってもおかしくなかった」と述べている。 というのも、歴史的に激しいスロバキアの社会や政治の分断は、近年ますます深まっていたからだ。 元政府職員で偽情報対策の責任者を務めていたダニエル・ミロは、ニューヨーク・タイムズに対して、「スロバキアでは前代未聞のレベルの二極化が