日本のシーンでは、新鋭も次々に出てきている。パプアニューギニア出身でバークリー音楽院を経て、現在日本で活動しているアルトサックス奏者の松丸契は、日本を拠点にし始めてすぐに、さまざまな場所で名前を見るようになった。大友良英や、ヒップホップ・トリオのDos Monos、ロック畑のギタリストでプロデューサーの岡田拓郎や映画『ドライブ・マイ・カー』の音楽を手がけた石橋英子まで。世代もジャンルも超えた“尖った”音楽家が、松丸の演奏を求めている。 そんな松丸は、自身のソロアルバム『The Moon, Its Recollections Abstracted』で音響的なサウンドを聴かせたかと思えば、所属するSMTKではパンキッシュで暴力的な演奏を聴かせることもある。そして彼の周りには前述の高橋佑成やギタリストの細井徳太郎など、面白い存在が集まっている。 松丸契(まつまる・けい) ©Charlie Bar