2021年夏に公開された『竜とそばかすの姫』は、細田 守監督の映画『未来のミライ』(2018年)に次ぐ最新作だ。本作は現実世界では内向的な性格の主人公・鈴が、ネットに構築された仮想空間<U>では歌姫として注目を浴びつつ、<U>の空間のダークな存在である竜との関わりの中で、次第に現実世界と仮想世界がリンクし始め、現実世界での自信を取り戻していくという物語だ。作品は現実世界と<U>の仮想世界の2つの世界で進行していくが、現実世界は作画アニメーションで表現され、<U>の世界はフルCGで表現されている。デジタル・フロンティア(以下DF)では、この<U>の世界のCG制作を担当し、10年前に公開された映画『サマーウォーズ』に登場した仮想世界「Oz」を遙かに超えた仮想空間を創出した。CGキャラクター「ベル」のキャラクターデザインには、多くのディズニー作品のキャラクターデザインに携わるジン・キム氏、<U>