アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門において、優れた作品を顕彰するとともに、受賞作品の鑑賞機会を提供する「文化庁メディア芸術祭」(以下、メディア芸術祭)。1997年の第1回から始まり、24回目を迎えた昨年は、世界103の国と地域から3,693点に及ぶ作品が集まった。 アニメーション部門の大賞を受賞したのは、湯浅政明監督の『映像研には手を出すな!』(以下、映像研)。「月刊!スピリッツ」(小学館)で人気を誇る大童澄瞳のデビュー作をアニメーション化した本作では、主人公となる3人組が本格的なアニメ制作にチャレンジする姿が描かれている。アニメーションならではの迫力と、細部にわたる筆致のおもしろさが人々の心を打った作品だ。 これまでにも、『マインド・ゲーム』『夜明けを告げるルーのうた』『四畳半神話大系』が大賞を受賞し、手がけたアニメーション作品の数多くがメディア芸術祭にて受賞を