また幼い命が失われた。周囲は異変に気づいていたのに、なぜ守ることができなかったのか。 神戸市西区の草むらで、スーツケースに入れられた6歳の男児の遺体が見つかった。背中には多数の殴られた痕があった。 警察は男児の母親を含む家族4人を、同居する祖母への傷害容疑などで逮捕した。家庭内で暴力が繰り返されていた疑いがあり、男児の死亡した経緯を調べている。 市側や児童相談所の対応が適切だったかどうかの検証も必要だ。 男児は2月から保育園を休みがちになり、4月に園の職員が尻と肩にあざを確認した。連絡を受けた市の担当者が家庭を訪ねたが、「遊びに行っている」と説明され、男児には会えなかった。 市のマニュアルでは、虐待の通告を受けてから48時間以内に子どもの安否を確認する必要があった。しかし、会えたのは1週間後で、既にあざは消えていた。 母親の申し入れでいったんは一時保護の方針が決まった。だが、児相の職員が出