不況が県内の駅前などの風景に影響を与えている。松本市の松本駅お城口正面のビルでは、広告主の企業の経費節減策で、長年親しまれてきた温度計の電光表示が消えた。各地で看板の枠が埋まらず空白になっているビルが目立つものの、新たな広告主が出てこない−と屋外広告会社。駅前の雰囲気が寂しくなるとの声も出ている。 電光表示の温度計があるのは、松本駅向かいの4階建てビル。オーナー男性(60)によると、昭和50年代前半のビル建設時から屋上に看板を設け、温度計はそのころ電機メーカーのネオン看板とともに登場。約10年前に広告主がマンション業者に変わったが、温度計はそのまま残った。 点灯中止は今月からで、オーナーによると、月10万円近くの電気代を削るため。看板広告の契約は終了までまだ半年ほど残るが、広告主は契約を更新しない方針で、次の広告主は未定だ。 市民には見慣れた温度計だけに、駅前のタクシー乗り場で客待ち