1936年に開場し、日本初の常設サーキットとして本田宗一郎はじめ自動車産業の発展に貢献した多くの人物・企業がレースを戦った『多摩川スピードウェイ』。多摩川の河川敷に作られた1周1.2kmのオーバルコースは現存しておらず、跡地は野球場などに使われているが、現在もその跡地にはコンクリート製の観客席が当時のまま残されており、歴史的遺産のひとつとなっている。しかし、これが取り壊しの危機にあるようだ。 この観客席は川の土手を利用して作られており、河川敷にあるサーキット跡地と、多摩沿線道路を隔てるような形で現存している。ただ多摩川スピードウェイの跡地保存と日本のモータースポーツ黎明期の歴史的意義の研究・情報発信を行なう任意団体『多摩川スピードウェイの会』が発表したところによると、多摩川河川敷の堤防強化工事の一環として、この観客席を完全に取り壊し、盛り土や連接ブロックによって新たな堤防を造成する工事を2