「イランの公式見解」に偏る不可解 年明け早々、世界中を騒がせた中東における米国とイランの対立は、両国政府が戦争回避の構えを見せたことで、軍事的衝突がエスカレートする事態は避けられた。そんな中、日本の大手新聞やテレビの報道には首をかしげざるを得ないものも少なくなかった。 「どうして日本のメディアは、そろいもそろってイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を『英雄』とばかり報じるんですか?」 東京の支局にいる、某米国メディアの外国人特派員は年始、こう言って動揺を隠さなかった。 米国とイランとの対立は、1月3日夜に米国がイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害したことから始まった。その日から、新聞各紙はソレイマニ氏を「『清貧の軍人』として市民からたたえられる」「国民的英雄」(いずれも朝日新聞、1月3日配信記事より)というトーンで報じた。 共通していたのは、「米国はこのような『英雄』を殺害するという暴挙