《『Voice』2014年1月号より》 本企画は、政策分析ネットワーク(http://www.policy-net.jp/)特別講演会「金融政策とアベノミクス」(2013年11月9日、明治大学リバティタワーにて開催)の一部内容を再構成したものです。 <講演> 「金融政策とアベノミクス」 岩田規久男 ―― 金融緩和政策はこれから本格的に景気を回復させるはずだ ―― 2013年4月4日、日銀は「量的・質的金融緩和」を実施しました。この金融政策は2つの柱から成り立っています。 第一の柱は、2%のインフレ目標の早期達成に関する「コミットメント」です。すなわち、日銀は「2%の物価安定目標を2年程度の期間を念頭に置きながら、できるだけ早く実現することを明確に約束した」ことになります。このコミットメントに基づいて、日銀はまず人びとの予想インフレ率の引き上げをめざしています。 このインフレ目標に対して、消