電子書籍の決済システムをあざむく不正アプリで、有料コンテンツを「ただ読み」される被害が広がっている。不正アプリを使った電子書籍の大量詐取事件を警視庁が6月に初めて摘発したが、他のサイトも、ただ読みを試みるハッカーたちの攻撃にさらされているのが現状だ。市場規模が拡大する中、セキュリティー対策が急務となっている。 ■“請求されないカード” 事件に利用されたのは「iAPクラッカー」や「iAPフリー」と呼ばれる不正アプリ。人気のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」やタブレット端末「iPad(アイパッド)」など米アップル製品で起動する。「脱獄アプリ」と呼ばれる別の不正アプリを介することで使用可能になる。 実際に料金を支払わなくても、電子書籍の販売サイトに決済が完了したと誤信させる機能があり、インターネット掲示板では昨夏ごろから「請求の来ないクレカ(クレジットカード)を持ったも同然」と話題に