「反朝日新聞」とでもいうべき現象が起こっている。なかには度を越えているものもある。 慰安婦問題をめぐる朝日の長年の報道とその検証、その後の対応には筆者も大いに批判的である。しかし批判はあくまでも言論としてなされるべきであり、行きすぎた言動には反対する。 大阪府豊中市の朝日新聞豊中支局では、8月に看板や車が傷つけられていたことがわかった。慰安婦問題との関連は現段階では不明だが、朝日新聞への反感が背景にあると考えるのは不自然なことではない。 また、誤報を含む記事を平成3(1991)年に書いた元朝日新聞記者について、その家族の動向まで触れた書き込みがインターネット上に出ている。これも行きすぎである。ネットではヘイトスピーチ的な書き込みもなされている。 ただし、一方的に朝日を擁護することもできまい。朝日は11日、木村伊量(ただかず)社長が慰安婦問題でようやく謝罪した。福島第1原発の故吉田昌郎(まさ