石川県能登半島地方を震源とする地震に対する自衛隊派遣を巡り、野党の一部から「逐次投入」「初動が遅い」といった批判が出ている。政府は部隊の増強を重ね、6日までに5400人態勢に拡充したが、2016年の熊本地震では発生から5日後に2万2000人を派遣した実績があるだけに、派遣規模に限れば見劣りの感もある。数字上で差が生じた背景には何があるのだろうか。 「今般の自衛隊の災害派遣について一部、逐次投入であるとか、初動が遅いといった指摘がある。私から少し詳しく説明をしたい」
「災害時、自衛隊は被災者への配慮のため炊き出しを食べずに、冷たい缶詰を食べるのが原則である」――そんなうわさがSNSで拡散され、北海道胆振東部地震でも支援にあたっている自衛隊員の体調を心配する声や、過剰な配慮をやめて活動環境を改善すべきだとする声が広がっています。しかし「炊き出しを食べない」という原則は本当なのでしょうか? 「原則缶詰」といううわさは事実なのでしょうか? 炊き出しの様子(陸自SNSより) 防衛省および自衛隊関係者に取材したところ、「状況や現場の指揮官の判断によるので一概には言えない」と前置きしつつも、「基本的に被災された方々にお渡ししているものと自衛隊員が食べるものは一緒」との回答。炊き出しを振る舞っている場合は隊員も同じものを食べる場合が多いとのことでした。 とはいえ「被災者の方々が第一なので、配給が行き渡っていない場合はレーションを食べる場合もあります」とも。また「被災
2011年3月11日、午後2時46分。三陸沖を震源とする大地震が日本を襲いました。死者約1万6000人、負傷者約6000人、行方不明者約2600人(2011年9月11日時点)に及ぶ大惨事に発展した。 こうした中、自衛隊は「10万人体制」を展開。約1万9000人を救助しました。救助された約2万8000人(2011年3月20日時点)の7割に相当します。これは、自衛隊が発災から72時間で3万人近い部隊を現地に集めたことが効を奏したから。その背後には、火箱さんが辞任を覚悟で決めた「即動」が大きな役割を果たしました。 火箱:当時、私は陸上自衛隊(以下、陸自)で幕僚長(以下、陸幕長)*を務めていました。救助部隊を少しでも早く現場に急行させるため各部隊に出動を命じました。災害に遭った人の生存確率が高いのは発生から72時間と言われています。危機的瞬間には手続きの万全さより迅速・実効性ある行動が勝ると思い、
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