宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所インターナショナルトップヤングフェローのDmitry Khangulyan(ドミトリー・カングリヤン)研究員らは、「かにパルサー※」周辺で観測された、周期的に変化する超高エネルギーガンマ線放射を解析した結果、それが、これまで検出不可能と考えられていたパルサー風(電子・陽電子の流れ)に由来する放射であることを突き止めました。これは、パルサー風の存在を初めて直接的に示したものです。また、パルサー風がパルサーにきわめて近い領域で光速度の99.999999999%もの速度に到達していることも分かりました。これらは従来の理論モデルでは説明の難しい重要な解析結果であり、これに関する論文が2012年2月23日付の英科学誌『ネイチャー』に掲載されました。 ※ パルサーとは、数秒以下の周期で規則的に電波を発する天体で、その正体は超新星爆発で生じる超高密度天体の中