覚醒剤所持容疑で夫が逮捕され、自分は失踪。子供を預けた相手は謎の人物。やがて夫と同じ覚醒剤所持容疑で逮捕、……と、酒井法子という「清純派」タレントが世間を騒がせている。この事件は日本のみならず、酒井法子の人気が高かった中国でも大きく報道されているという。 思い返せば、私が十年前に滞在していた中国人民大学で、日本語学科の学生たちと観たビデオが、彼女主演のドラマ『星の金貨』だった。いま、あの学生たちはこのニュースを知ってどう思うか。私に中国の様々な諺を教えてくれた張孝萍さんなら“人不可貌相,海水不可斗量”(海水の量をマスではかれないように人は見かけによらない)と嘆息するかもしれない。 「私の知ってる○○さんは……」のような言い方がある。当たり前のことだが、これは「平時」の言い方ではない。○○さんが何らかの事件を起こした後にかぎっての言い方である。 たとえば「私の見た兄さんは恐らく貴方方の見た兄