日本のストーリー漫画がティーンに大人気のフィンランドであるが、現時点で漫画を「よくないもの」とする論調は表立っては存在しない。これには多分に日本文化に対する敬意が作用しているような気がしないでもない。あるいは遠慮なのかもしれないが、いずれにしてもありがたいことである。 昨今のフィンランドでは、日本の漫画のみならず、宮崎アニメも大人気であり、特にメディア教育関係者からの評価が高く、さまざまなかたちで教育現場に入り込んでいる。そういった事情に関連しているのだろうが、フィンランドでメディア教育関係者と接触すると、「日本の小学校や中学校では、どのようにして漫画やアニメの制作技術も教えているのか?」という、ちょっと不思議な質問を受けることが多い。質問の意図を問うと、「漫画やアニメは日本の優れた文化であり、それを継承・発展させるための措置が義務教育の段階からなされているのではないか、というあたりに興味