東京都の猪瀬直樹知事が辞職を表明した。これに伴う知事選は来年2月に実施される見通しだ。首都の新しい顔を選ぶにあたっては、候補者の実務能力や清新さを冷静に見極めたい。 猪瀬氏は、職務上の利害関係がある医療法人「徳洲会」側から現金5千万円を受領し、都議会などの追及にもあいまいな説明を繰り返していた。 都政も、自らが招致に尽力した2020年東京オリンピック・パラリンピックの準備も、この問題で完全に停滞していた。予算編成や五輪組織委員会のトップ人事など、喫緊の課題にも手をつけられずにいた。辞職は当然である。 猪瀬氏は会見で後任の知事について「東京五輪を成功させてほしい。五輪を迎えるにふさわしい人が知事になってもらえれば、自分のやったこと、少しは頑張ったことが受け継がれる」と話した。これは去る人の本心であろう。 東京の五輪招致は、石原慎太郎前知事が強烈なリーダーシップで候補都市に名乗りを上げ、後を引