クロアチアサッカーにほれ込み、首都ザグレブに約10年生活した経験を持つライターの長束恭行氏(49)が、決勝トーナメント(T)1回戦で、日本と対戦するヴァトレニ(同国語で炎の意。代表の愛称)の特徴や選手について解説した。 * * * * クロアチア代表は、大国が相手ならばやる気に火がつくが、中小国には足をすくわれる「バルカン気質」を持った気まぐれなチームだった。それを一変させたのがキャプテンのモドリッチ。小さな体ゆえ少年時代に挫折を味わう中、「最高のものは決して簡単に訪れない」を座右の銘とし、努力と信念でクロアチア人初のバロンドール(世界最優秀選手)に上り詰めたスーパースターだ。 そんな彼がチームのロールモデルとなり、過去最高だった3位(98年フランス大会)を超えたのが、18年ロシア大会の準Vだった。W杯後の世代交代は遅れたが、昨年の欧州選手権決勝T1回戦敗退を機にダリッチ監督は経験より、実