バフェットはクモ。 ある程度安定したビジネスであれば割安で買うだけで儲かる。しかしながら個人のバリュー投資はあんまり儲からないとも私は言っている。その違いは何か。明瞭だ。そこに資本政策の行使力があるかどうかだ。バフェットの場合は会社を丸ごと飲み込む。完全な支配下に置く。経営自体は今まで通り、経営者にお願いする。ただ一点のみ、完全に支配する。それは資本政策だ。事実、バフェットは買収が完了した次の日に経営者にこう言う。「すぐに銀行口座を解約してください。これからは私があなたの銀行です。経営に必要な資本以外全て、私に送金してください」と。例えPER10倍で買ったとしても、ビジネスが安定している限り、10%のリターンは見込める。そんな企業は日本にゴロゴロしている。PER5倍ならどうか?直利ではあるが、利回りは20%になる。こんなに上手い話はない。まぁ別段、米国に限って言えば還元率が半端ないからバフ
前のエントリーに続いてもう一つ。バフェットは本当に投資上手なのだろうか…?それを補足する上で一つ良いサンプルがあるのを思い出した。何かの本で読んだのだが、下記の記事がそれだ。 ある経営者(以下、彼)がバークシャ―に身売りをする交渉に行った。 交渉は和やかにスタートした。話を進める中、バフェットは彼にこう言った。 バ:「買収価格は利益の10倍位が相場ですよ。」 彼:「なるほど、良い値ですね。」 バ:「じゃあ10倍で!交渉は成立です!」 彼:「え、ちょっとまった!」 バ:「良いって言ったじゃないですか、もう1セントも値上げさせませんよ!」 本題に入る。利益の10倍ってどうよ?PERで言ったらPER10倍だよね。これ、安いの?安いけど、直利ベースで10%が良い所じゃないか?そんなに成長性(+収益性)があるビジネスでもない限り、この値段で買ってバークシャ―の途方もない利回りを達成できるとは考えにく
先週末の日曜日は、合宿セミナー卒業生によって構成される当事務所プレミアクラブ(有料)の「(毎月恒例)オンラインバリュエーション大会」でした。 評価対象企業は、先日のパートナーエッセイでも取り上げた「日本電産」。 今回は、プレミア会員の中からお二人の方に同社のバリュエーションを行っていただき、その後、オンラインにて様々な議論がされました。 今回は、これまで以上に活発な議論がされ、僕自身も大変勉強になり、とても楽しかったです。 やはり、 1、一つのテーマについて、 2、全く別の職種や経歴や嗜好の持ち主が、 3、一定の知識を共有したうえで、 議論するのって、「本当の議論」になりえます。 「朝までなんとか!」みたいな「めちゃくちゃ水掛け論」を売りにするテレビ番組に感じるような「変なストレス」もなく、議論そのものに集中できて大変有意義な時間です。 今回の議論の「一つの」テーマは、 「スーパーマン経営
やるとしても、安定的なCFが見込めるような小売とかサービスとかそんなところなんじゃないかな。 しかし、人口が減っている国の企業を買うというのが真意なのか疑問。 単純に日経の記者に対してリップサービスしているにすぎなかったりして。 彼の今までの買った会社(飲料メーカー、保険、鉄道など)見ていると、安定的なCFもそうだが、いずれもアメリカ、中国と人口が増えていて、多少なりとも売上が伸びるという絵は描きやすかった。 日本で成長産業に投資するならともかく、売上がさちっていく会社を買うようなことになったら(収益は安定性があろうが)、それはある意味、彼の師匠であるベンジャミン・グレハムのやり方に回帰するということを意味する。 師匠のやり方を最初はまねして、そしてそこから自分なりに逸脱して成功を収めてきたが、また師匠のやり方に回帰するのであろうか。 どんな会社を買うのか注目だ。株価にも影響を与えそうだし
ITサービス会社の経営者は皆M&Aを語るのに、実際にはM&Aがなかなか成立しないのは何故か。「そりゃ誰もが買う側になりたくって、会社の売り手がいないからさ」というのは通説。ただこの前、株式を上場する中堅ITサービス会社のトップの話を聞いていて、ふと思い至った。ITサービス会社の経営者は、その気がなくてもM&Aを語らざるを得ない事情がある。 ITサービス会社も株式会社である以上、稼いだお金は株主のもの。配当もしくは自社株買いをして、株主に返さなければならない。会社が内部留保の形で手元に多額のお金を残しておくためには、将来の成長に向けた投資などに使うことを株主に説明して、承諾してもらわなければならない。 さてITサービス会社の場合、もう少し限定すればSIerや受託ソフト開発会社の場合だが、この「成長に向けた投資」という説明が結構難しい。話を聞いたITサービス会社も典型的な受託開発会社。このとこ
先日11月4日に以下の凄いニュースが飛び込んできました。 米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイは3日、新たに260億ドルを投じ鉄道大手バーリントン・ノーザン・サンタフェを買収することで合意したと発表した。 バフェット氏による企業買収としては過去最大規模となる。 バークシャーはすでにバーリントン株の22.6%を保有。残り77.4%に対し現金と株式交換により1株当たり100ドルで買収する。 買収価格はバーリントン株の2日終値に31.5%のプレミアムを上乗せした水準。 買収総額は340億ドルとなる。バークシャーはバーリントンの債務100億ドルも継承する。(ロイター) 買収金額だけでも約3兆円という凄い投資です。 また以下のコメントです。 バフェット氏は、バークシャーにとって過去最大規模の取引について「大きな賭けであり、とても満足のいくものだ。来月や来年につ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く