ここ10年、日本の高級紳士靴ブランドではある種の地殻変動が起こり、世代交代も一気に進んだ感がある。トレンドセッターの役割や企画・品質の中心軸は従来の大手メーカーではなく、個人やそれに近い単位で活動する新進のアトリエやブランドが見事に奪い取った。規模が小さい分、顧客のより細かな要望に対応できるフレキシビリティの点で、彼らの方が圧倒的に上回っていたからだ。その流れの大きな道筋を整えたのが、今回ご紹介するRENDO(レンド)なのだろう。もはや紳士靴好きなら知らなきゃモグリのこのブランドの「今」と「これから」を、代表の吉見鉄平氏から改めてお伺いしてみた。 想定外に増えたパターンオーダー 「いやー、ここまで変化するなんて、RENDOを立ち上げた当初は正直思い浮かばなかったです」開口一番吉見氏は、相変わらずの人懐っこい笑顔で語り始めた。「まずパターンオーダーの割合が増えているんです」2013年暮れの立