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ブックマーク / equilibrista.hatenablog.com (26)

  • 保険が博打でない理由 - 投資の消費性について

    「保険は、自分の災難について賭けた博打である」 などという言説を、知的かつ幸せそうな方々から聞くことが多いが、まったく同意できないので、簡単にメモしておきたい。 保険会社から見れば、あなたが死のうが生きようが、事故が起きようが病気が治ろうが、さほど嬉しくも悲しくもない。もちろん人として、誰かの幸せは嬉しいものだし、誰かの不幸は悲しいものだが、それがあなたではなく他の誰かであったとしても大差ない。 他方であなたや家族にとっては、あなたが死ぬことや、あなたに事故が起きることは、一大事だ。今後の毎日は、どうしたって大きく変わらざるを得ない。どんなに貯金を積み上げていたとしても、災難のショックに加えて、みるみる預金残高が減っていくのを見れば、あるいは将来の所得が失われる事実は、体験した者なら誰でも知っていることだが、大きな不安を伴う。 つまり、あなたにかかる災難と支出について、あなたと保険会社とで

    保険が博打でない理由 - 投資の消費性について
  • たった2つの産業から成るネバーランドの話 - 投資の消費性について

    目の前の工業製品が、以前よりも安く売られるようになった話を、今週ビール片手に繰り広げたのだが、どうにも表現力の不足を感じたので、ひとつ汎用的な筋立てを考えて、自分のためにメモしておきたい。たった2つの産業から成る、そうだな例えばコメ農業とコメ流通だけの世界にしよう。 100人が暮らすネバーランドで、50人はコメをつくり、50人はコメを配達している。年収は皆100円で、50円をコメ代として払い、50円を配達に払っている。極端にシンプルだと思われるかもしれないが、拡張は宿題に残しておこう。 ある日、配達組が無人の輸送機を発明した。配達のコストは劇的に下がった。わかりやすさのために、1円未満まで下がったと思おう。50人分の仕事は消え去った。ネバーランドの100人は、全員がコメづくりに携わることになった。1人当たりの労働は、それまでの半分程度にまで減った。生まれた時間は、昼寝や散歩して過ごすことに

    たった2つの産業から成るネバーランドの話 - 投資の消費性について
  • 住宅購入を整理する - 投資の消費性について

    そもそも賃貸だろうが持家だろうが、生活する場所のコストは、いずれにせよ未来に向かって常に発生している。人生のバランスシート*1の考え方に従って、将来の支出は負債だと思おう。 資 産 負 債 --------+-------- |家賃支払 住宅ローンを借りて不動産を買うとき、それが投資だと思うとわかりやすいが、未来に向かって家賃収入が発生する。また価値があるかは不明だが、その先には、おそらく家が残っている。 資 産 負 債 --------+-------- 家賃収入| ローン 残る家 | 不動産投資で買った家に、自分が賃貸の住人として入居すると思おう。両者を連結し、将来の家賃支払と将来の家賃収入を、同じものと思って相殺する。 資 産 負 債 --------+-------- | ローン 残る家 | 最初と比べると、家賃支払が住宅ローンに変わり、晩年には家が残ることになった。違和感はない。

    住宅購入を整理する - 投資の消費性について
  • 個人投資家のためのリスクマネジメント - 投資の消費性について

    忙しいひとのために、結論から先に書いておこうと思うが、1)どんなリスクを、2)どのくらいとるのか、この二点が肝要である。リスクマネジメントみたいな単語を持ち出した瞬間に、「ちゃんと日誌を書こう」と言いだした学級委員を見るような目で、こちらを眺められることは常なのだが、言うまでもなく、報告しない仕事に、ひとは手を抜く仕様になっている。もちろん個人投資家は、つまり自分のエクイティを削って投資しているわけで、誰かに報告する必要はないわけだが、そのことを自分に報告する規律の甘さと混同してよい理由にはならないのは、だって勝ちたいんだろ?何をするのか、それでどうなったのか、ちゃんと把握することは、そのためのスタートラインだ。 「トヨタを買う」を考える 例えばトヨタの株式を買おうかどうか判断する際には、トヨタのビジネスにかかる様々な要素について、よく考えるかもしれない。北米の自動車需要は、今後どのように

    個人投資家のためのリスクマネジメント - 投資の消費性について
  • 現金なんてもう廃止しちゃおうよ - 投資の消費性について

    「政府紙幣を発行してリフレを実現せよ」とか、意味のわからないスローガンを連呼してる人たちが最近多いみたいだけど、ちょっと極端に考えてみようという試み。今日は貨幣とインフレの話。著名ブロガーのみなさんも、何やらとても楽しそう。 404 Blog Not Found:政府紙幣vs日銀行券 http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51176125.html 政府紙幣と国債の日銀引き受け - 池田信夫 blog http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/59f8b09c817493d904bf6d5f136bd6af で、表題のとおり。振り込みとクレジットカードと携帯電話でさ、もう僕らの生活はオッケーじゃない。それでやっていけるよ。現金なんて、なくても別に死なないと思うんだ。そりゃさ、ヘソクリとかは少し貯めにくくなるよ。でも

    現金なんてもう廃止しちゃおうよ - 投資の消費性について
    baboocon19820419
    baboocon19820419 2012/12/06
    古い記事だけど。
  • すべての紙幣を皆がスイカにチャージしたマクロ経済学 - 投資の消費性について

    似たような話を、既に何度か書いているような気もするのだが、重複にビビってブログなぞ続けられるものか。似たような音楽を量産し続ける魅力的なミュージシャンだって、挙げればキリがない。未来の金融政策の話なら、俺に任せなよ。というわけで、財布の中に入っている紙幣を、皆が一斉にスイカにチャージする世界の話である。仮想的と思ってもよいし、25世紀について探る挑戦と考えていただいてもよい。ともかく紙幣を残らず、駅の券売機に投入だ。 現在流通している80兆円の紙幣が、すべてJR東日の券売機に吸い込まれる。大変な事態だが、必ずしも不可能とは言い切れない。我々の紙幣は、すべてポイントになり、コンビニでの買い物も、今夜の一杯の代金も、スイカでシャリーンと支払う。もちろん家計は特に変わっていない。紙幣だった分がスイカになっただけだ。 いきなり巨額の入金があったJRは大変だが、資産として紙幣を80兆円、そしてポイ

    すべての紙幣を皆がスイカにチャージしたマクロ経済学 - 投資の消費性について
  • 投資家は銀行の株式保有を求めていない - 投資の消費性について

    銀行の株式保有は収益を不安定化させるので削減を進めろという下記の日銀レビューが、先週に出ていたのだが、 全く同じ内容のレポートを [twitter:@TrinityNYC] さんが20年前に書かれた*1という。つまり20年もの間、その分量はともかく、我が国銀行の収益リスクの構造は大して変わっていないわけだ。なんとも暗い気持ちになる話だが、当局やら外野に指摘されるまでもなく、そもそも預金者も株主も、ちっとも株式保有など望んでいないという点について、今日は指摘したい。 (日銀レビュー)わが国銀行の株式保有と貸出・債券との連関リスク : 日銀行 Bank of Japan http://www.boj.or.jp/research/wps_rev/rev_2012/rev12j06.htm/ さて銀行の商売は多岐に渡るが、手数料ビジネスでなくバランスシートを使う部分で言えば、要するに金を貸すこ

    投資家は銀行の株式保有を求めていない - 投資の消費性について
  • 経常赤字を考える - 投資の消費性について

    という何とも酔狂な会が、桜の膝元で週末に、飲み過ぎながら行われたわけだが、自分の守備範囲をギリギリ外れるようにも感じられたので、時間をかけて、根から考え直してみた。すると、よく見るフローの恒等式は、特に何も言わないという当たり前の壁に行き着いてしまう。誰かが支払うとき、誰かが受け取るわけだが、なぜ支払ったのか、交換された物やサービスが、どんなふうに魅力的だったのか、それらは今後もつくられ続けるのか、そのために今後どんなふうに投資されるのか、といった問いに「資金繰り」は答えないからだ。 より具体的には、例えば所得収支の意味がさっぱりわからなかったのは、利益とタコ足配当は質的に区別がつかない。クーポン収入が多いことは、その投資の収益や価値が大きいことを必ずしも意味しないし、配当支払いが小さいことは、その投資の収益や価値が小さいことを必ずしも意味しない。こいつを要するに、資収支と切り分ける

    経常赤字を考える - 投資の消費性について
  • 長期金利が上昇すると、誰が困るのか - 投資の消費性について

    エルピーダ破綻とAIJ事件 日銀のデフレ・円高が招いた悲劇|高橋洋一の俗論を撃つ!|ダイヤモンド・オンライン http://diamond.jp/articles/-/16477 この数字にはトリックがある。国債残高は600兆円として、もしすべて1年債であったなら、金利が1%とすると次の年に6兆円増加して、その後は増えない。実際には1年より長期の国債もあるので、徐々に上がり数年経って6兆円まで上がるが、その後は増えない。 ところが、名目成長が1%アップすると、時間が経過すればするほど税収は大きくなる。数年経つと6兆円以上増える。財務省の資料は、3年までしか計算せずに利払費が税収より大きいところだけしか見せないのだ。 デュレーションとALMの概念に触れながら、同時に長短の区別がゴチャゴチャという、おそるべき矛盾に目を瞑れば、高橋氏の指摘がまったく正しいのは、長期金利が上昇するとき、国債全体の

    長期金利が上昇すると、誰が困るのか - 投資の消費性について
  • 実質成長の世界 - 投資の消費性について

    コーウェンは大停滞*1を吹いているようだが、僕らが総じて足踏みするなんて、簡単に可能なはずもないのは、ちょっと周囲を見渡してみれば明らかなことだ。皆それぞれに、目の前のチャレンジに力を発揮してるじゃないか。あるいは一方で「失われた20年」の後半は、乱暴に要約するなら、特に失われてはいなかったと白川総裁*2やクルーグマン*3が最近になって口を揃えたことも、自分には似た話に思われる。我々はいつでも、おそらくコンスタントに、前進を続けている。 いまコーヒーを飲みながら記事を書いているのだが、例えば豆の流通やら販売にかかる明らかな無駄を排除したり、あるいは技術によって効率化したり、することによって価格が下がるとき、僕らはコーヒーをより安く飲むことができる。その分だけ、他の消費や投資に回すことができる。実質成長である。他方で、価格競争に晒された状況下で、コーヒー会社員としての僕の給料が下がる形で、あ

    実質成長の世界 - 投資の消費性について
  • 低金利政策の継続がもたらすもの - 投資の消費性について

    FRBは少なくとも2014年まで「異例の低金利」を継続するそうだ。会合から持ち出された妙なチャート*1は、政策当局者が自身の未来について予測する、金融政策が内包する奇妙を浮き彫りにした味わい深いシロモノだったが、率直に言えば個人的には、資金需給をナメるなボケとしか思えなかった。どれだけの人々が再来年に金を借りたいか、どう考えても、知っているのは神だけだ。 支出 = 消費 + 投資 さて、あらゆる支出は消費か投資のどちらかだと、当ブログでは常に考えるわけだが、投資と言っても色々あるだろと、その点にもうすこしだけ深入りすることで、見えてくるものがあると考えてみる。そう、今日の道具はこんな感じだ。いくつかの代表選手に、えいと分けよう。 支出 = 消費 + 人への投資 + 株式投資 + 債券投資 + 不動産投資 + コモディティ投資 いやもちろん、例えば設備投資にも出番をやろうぜとか、自宅を不動産

    低金利政策の継続がもたらすもの - 投資の消費性について
  • 年金解散 - 投資の消費性について

    もちろん公的年金の話だが、そんなことできるわけがないと考えていたのは、単に年金の周囲で、何も考えずに仕事をしていた時間が長かっただけなのかもしれない。先日突然自分の口から、財政の話をしている中で、こんな単語が出てきて驚いたのだが、それから数日考えて、ちっとも困難でないばかりか、まさに年金解散こそが、取り組むべき課題だと思うようになった。年金は簡単でない。なぜなら現在だけでなく、ずっと将来に渡って、自分の人生だけでなく世代を跨いで続く話でもあるからだ。もちろん考えてみると、例えば道路やダムでも、将来に渡って使い続けるわけだが、しかし年金は露骨に明示的に、遠い未来について、しかも金額について取り扱う。そして我々は、そうした簡単でない問題について考えようとするとき、しばしば用語の罠に嵌ってしまう。なんちゃら方式だとか、なんちゃら率のことだ。 「積立方式に変更しろ」と叫ぶ声が、虚しい響きにしか聞こ

    年金解散 - 投資の消費性について
  • 金利とは何か - 投資の消費性について

    [twitter:@fedjapan] さんで、欧州の問題について、(短期)金利の観点から、お話しさせていただいたのですが、家に帰ってきてみると、ドイツ国債の札割れがニュースになっていたり、今の話題に取り組む面白さを改めて感じました。もちろん、見えないこと、わからないこと、どこまでもチャレンジばかりです。 さて通貨統合は、金利の統一を意味するわけですが、そもそも金利とは何かという点について、もちろん毎日の生活の中で関わりつつも、しかし我々は、明確には意識して整理していないようです。 金利 = 時間の値段 + リスクの値段 例えば商売のための資金を、あるいは住宅ローンを借りるとき、返ってはこなそうだと思われるほど、金利は高くなります。リスクの値段です。返ってこないリスクが非常に小さな、例えば政府が借りるとき、また政府が借り手を保証するときでも、金利はゼロにはなりません。時間の値段です。 時間

  • マネーに求められる機能 - 投資の消費性について

    貨幣の歴史的な経緯とも、また現在の管理通貨制度の姿とも異なるが、しかしリスクの分業と、そして取引の機能の視点から、マネーの起源を探ってみたい。 最初に想定するのは、最も原始的な金融の姿としての株式を、汎用的なマネーとして用いる世界である。家計は貯蓄を株式の形で持ち、資は向こう側で、商売へと突っ込まれる。そして、この株式をやりとりする形で、すべての決済は実行される。要するに、買い物も給料も、何もかも株式で払われると思うわけだ。 商 売 家 計 ------+------ ------+------ | | 商 売|株 式 株 式|純資産 | | 一見、特に問題がなさそうにも思えるが、この世界は実は面倒くさい。何せ株式には、それぞれにリスクがある。買い物や給料の都度、銘柄やタイミング、流動性を気にしなければならないし、仮にETFのようなものをデフォルトに置いたとしても、時々刻々とその価値は変

    マネーに求められる機能 - 投資の消費性について
  • バングラデッシュの畜産が米国株式リターンを極めて正確に予測する理由 - 投資の消費性について

    最近出た*1の紹介記事のようなのだが、なかなか面白かったので引用してみる。 Data Mining Isn't Good Bet for Investors - WSJ.com http://online.wsj.com/article/SB124967937642715417.html Mr. Leinweber got so frustrated by "irresponsible" data mining that he decided to satirize it. After casting about to find a statistic so absurd that no sensible person could possibly believe it could forecast U.S. stock prices, Mr. Leinweber settled on

    バングラデッシュの畜産が米国株式リターンを極めて正確に予測する理由 - 投資の消費性について
    baboocon19820419
    baboocon19820419 2011/08/01
    面白い。プロの運用者ですらネタをネタと解せず問い合わせが殺到って、本当なのかな?
  • 財政リスク方程式 - 投資の消費性について

    今日は [twitter:@fedjapan] さんの金融デザインセミナーで、財政についてお話をさせていただくチャンスがあった。財政や国債に密接に関連して仕事をされる、あるいはそれらについて真剣なビューをお持ちの、べらぼうに優秀な方々が集まり緊張したが、その大切な時間を無駄にしないよう、ほんのすこしでも新しい知恵を持ち帰っていただけるように、準備し努力することは、もちろん自分のためにも、とても勉強になった。主宰の方には、引っ張り出していただいたことを深く感謝し、こうした貴重な機会を今後もいただけるように、常に考え続けようと思う。 さて持ち込んだ道具は、鳥瞰したモダンなバランスシート*1だ。財務省さんの粋な計らいか、ちょうど先週に平成21年度「国の財務書類」*2がアップデートされ、いま僕らはホットな数字を眺めることができる。ちなみに中の人によれば、エクセルと夜中に格闘なんて時代はとうに過ぎ去

  • 復興資金は「あげる」か「貸す」のどちらかだ - 投資の消費性について

    または両者の組み合わせになる。ほとんど自明のことだが、すこし落ち着くためにも、よく採り上げられる手法の構造を確認しておきたい。「あげる」と「貸す」は、どんな特徴を持ち、どんなふうに組み合わされるのか。すこし乱暴なくらいがいい。大切なのは、何が起きるのかを、大雑把にでも把握することだ。 寄付 寄付はシンプルな構造で、とても機動的だ。既にあちこちで大勢が動いている。いま余裕のあるひとから、ハブになる公的な組織やボランティアを通じて、いま必要としているひとに「あげる」。使途は自由で、とても柔軟に使うことができるが、一方で規模を大きくすることは難しい。「あげる」ことのできる金額は、一般にあまり大きくないからだ。また、気をつけなければいけないのは、「あげる」先になっているハブ組織の信用である。何にいくら使ったのかについて、しっかりと確認することは肝要だ。そうでないと、必要としているひとでなく、(時に

    復興資金は「あげる」か「貸す」のどちらかだ - 投資の消費性について
  • 「日本復興」 - 投資の消費性について

    この言葉を、あちこちの見出しに躍らせたい。もちろん、そんなものは時間の問題で、いずれ東北の太平洋岸をひとつの中心として、僕らは新しい世界をつくり上げるプロセスに突入する。いや、既に突入している。そのとき報道が、最高にエキサイティングな現場をピックアップしないなんてことが、出来ようはずもない。一般に、物事は徐々にしか変化しないと、僕は考えている。ブラックは、実質金利はコンスタントだと言った。ただ僕らは先週、自然の力によって、いつもより大きなチャレンジに立ち向かわざるを得なくなった。変化を強要されてしまったのだ。これは、とてもポジティブなことだと思う。なぜなら前に進む力を、僕らは持っている。 新しい東日は、何をつくり出すのだろう。それは、僕ら自身が未来に何を望むのかについて、想像することと同じだ。どんなふうに街はつくられるだろう。どんなふうに工場や輸送はデザインされ、何がつくられ、そして送り

    「日本復興」 - 投資の消費性について
    baboocon19820419
    baboocon19820419 2011/03/17
    株式市場にはすでにコミットした。後は、自分がこれからの仕事・生活の中でどうコミットしていかるか?
  • 資金調達市場 - 投資の消費性について

    株式市場が資金調達の市場であること*1は、教科書に書かれているにもかかわらず、実際に数多く実行されているにもかかわらず、ほとんどあまり理解されていない金融の不思議のひとつだ。いま一度強調しておこう。チャレンジの志はあるものの、そのリスクを負担する資金が不足しているとき、「頑張ってみろ」と懐の深いスポンサーを募る場所が株式市場である。もちろん、その恩を(意図的に)忘れることなど不可能であるような法整備には、多くの専門家が力を注いでいる。 我々はいま、新しいチャレンジに立ち向かわざるを得なくなった。主観だが、自分はこのことにポジティブだ。以下に理由を列挙したい。 まず我々は、災害には滅法強い。それは普段から地震には慣れているとか、そういう小さな話じゃない。協力することの強さを、我々自身が何を望むのかを、よく知っているからだ。よりよいシステムを模索し、この事故をチャンスに変える力を持っている我々

    資金調達市場 - 投資の消費性について
  • 全自動マネー - 投資の消費性について

    ご飯をべたり、家賃を払ったり、また住宅ローンを返した後に、使わずに残った給料は、そのまま銀行の普通口座に放っておいたり、また定期預金に預けてみたり、あるいは株式や投資信託を買ってみたり、するかもしれない。その余裕の如何によっては、夏休みの旅行プランを考えたり、ちょっと贅沢なディナーを企んだり、するかもしれない。自分の持つ現預金やリスク資産に対して、一体どのような姿を望むのか。それは自覚的であるか否かにかかわらず、人生のバランスシートを眺めながら決まるはずだと、僕は考えている。 引退までの給与収入 年金 自宅 現預金 リスク資産 引退までの生活費 引退後の暮らし 住宅ローン 好きなことにつかうお金 家族への遺産 もちろん、それぞれの配分に対しては、常に調整を続けることになる。普通預金の残高が、すこしだけ多くなり過ぎたなと思うとき、株を買ってみたりするだろう。その金額や市場見通しによっては、

    全自動マネー - 投資の消費性について