イチジクの表面に穴をあけようとする寄生バチ。 Photograph by Lakshminath Kundanati 寄生性のイチジクコバチのメスは卵を産みつけるため、まだ熟していない硬いイチジクの表面に穴をあけなくてはならない。幸運なことに、彼女には生まれつき強力な工具が備わっている。新しい研究によると、それは人間の髪の毛よりも細く、先端に亜鉛が付いたドリルの刃先のような付属器官であることが明らかになった。 穴あけ工具として「硬いのに巧みに動くというのは本来非常に難しい挑戦だが、この構造を見ると実に見事である」と、研究のリーダーでインド、バンガロールにあるインド科学研究所の機械工学者、ナムラタ・グンディア(Namrata Gundiah)氏は語った。 同氏は、亜鉛がハチのドリルの刃先を硬くしているという事実を今回初めて証明した。 ◆硬い先端 グンディア氏は以前から、寄生バチが産卵管と呼ば