(2010年7月28日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 景気の二番底――。これは誰もが口にする言葉であり、多くの場合、唇を震わせて発せられる。2008年のショックが過去のものとなり、世界経済は運命の瞬間を迎えた。どん底からの景気回復は、持続可能な成長に戻る過程だったと見なせるようになるのだろうか? それとも、この回復はつかの間の息抜きに過ぎず、世界経済は再び不振に陥るのだろうか? ソブリン債務危機に直面した欧州当局が慌ててしまい、事態をさらに悪化させたこの春以降、ムードが悪くなったことは間違いない。 英字メディアで「二番底」への言及が急増、勢いづく悲観論 非科学的ではあるが、英語のメディアで過去半年間にどんな言葉が使われたかという調査の結果を見るといい。これによると「V字型の回復」はコンスタントに言及されているが、最近になって「二番底」への言及が急増しており、7月は5月のほぼ4倍に上って