本連載では、電通メディアイノベーションラボ・天野彬氏が、自身の近著や業務で得た知見などから、ショート動画を中心としたSNSマーケティングについての知見を発信していきます。 前回は、ショート動画が流行する理由をTikTokに代表されるサービスの特性や生活者の行動心理から読み解きました。今回はやや角度を変えて、筆者がいま注目する進化心理学(※1)について取り上げつつ、それがソーシャルメディアマーケティングにどう関係するのかを論じます。 実は私たちの根源的なつながりの欲求や「見せびらかし(誇示的消費)」のモチベーションこそが、SNSを駆動していると言えるのかもしれない──そんな仮説に迫ります。 ※1 人間の心的活動の基盤が、その生物学的進化の過程で形成されてきたとする心理学の一分野。人類学・社会生物学・認知科学など多くの領域にまたがる学問分野。 ソーシャルメディアと進化心理学 そもそも、人々はな
こんにちは、マンガサービスの「アル」というものを運営しているけんすうといいます。マンガしか趣味がないので、マンガを世界一のエンタメにして、世界中の人がマンガを楽しめるようにする世界を作ろうと真剣に思ってやっています。 さて、この記事では 「マンガが他のエンタメの中で、勝ち続けるためにはどうしたらいいか?」 を考えてみたいと思います。 前提競合はどこですか?と聞かれる事が多いんですが、明確に「YouTubeやTikTok」だと思っていまして・・・。他のマンガサービスや出版社さんは、協調する仲間ではあるんですが、敵ではないと思っています。 前にこんな記事を書きました。 マンガはいまや高級商材になってしまっている、というものです。 たとえば、キングダムを全巻(58巻)買おうとすると、34,452円かかるらしいんです。Nintendo Switchよもり高くなってしまうわけですね。 その割に、1巻
インサイトリサーチによるアイデア開発支援を手掛ける株式会社デコム(所在地:東京都品川区、代表取締役社長:大松孝弘)は、この度、人間のインサイト研究から生まれた共感スイッチの一覧「共感フラワー」を発表します。 ■SDGs、ESG経営を達成するカギとして注目が高まる“共感(empathy)” SDGs(持続可能な開発目標)のぞれぞれの問題の解決に企業が貢献することに、多くの人は賛成します。 ESG経営の環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの視点が重要であることに対しても同様です。マーケティングの分野でも、ソーシャルグッドやブランドのパーパス(社会に存在する意義)が重要となっています。 しかし、目的に対して賛成することが、人々の行動を変えることに直結するわけではありません。 「賛成だけど、私はやってない」ということが多々起きます。これでは
現在では世界中で数100万人以上のユーザーから絶大なる人気を誇っているサービスにも、必ず初期ユーザーがいたはず。 多くのサービスがユーザー獲得に苦しむ中で、人気サービスはどのようにして無名の頃にユーザーを集めていったのだろうか? それぞれのサービス内容や時代背景によって、そのユーザー獲得方法は異なるが、全てに共通しているのは、かなりユニークな方法を取っているという事。 今回は現在人気になっている下記の32サービス企業のユーザー獲得方法を紹介する。 AirbnbAlibabaAmazonAppleDoorDashDropboxFacebookFirefoxGitHubGrouponGumroadHotmailInstagramIntercomMicrosoftMixpanelPaypalPinterestProductHuntRedditSalesforceSkypeSlackStripeT
ネット上で横行する「釣り広告」や「ステルスマーケティング」、リアルな世界の「ホストクラブ狂い」や「後妻ビジネス」、一向になくならない「振り込め詐欺」や「アポ電」など、悪質な騙しの手口は後を絶ちません。 『ブラックマーケティング 賢い人でも、脳は簡単にだまされる』(中野信子、鳥山正博 著、KADOKAWA)は、こういった現象がなぜ起きるのか、いいかえれば「なぜ脳がハマッてしまうのか」を、脳科学の知見をベースに解き明かした書籍です。 重要なポイントは、マーケティングの世界において、いわゆる悪徳商法について触れられることの少なさ。 おそらくマーケティングは、それまで学問の対象になりにくかった「商売」の領域について、学問の対象とするために「怪しくないこと」を無意識のうちに選択しているというのです。 現実的には、悪のマーケティング、すなわち「ブラックマーケティング」が厳然と存在しているにもかかわらず
昨日書いたnoteで、インフルエンサーに(お金を払って)広告メッセージを発信してもらう前に、まずはしっかり良い商品・サービスをつくることが最初だよ!ということを書きました。 商品やサービスを磨く。徹底的に磨く。そのうえで、しっかり伝える、伝わるようにコミュニケーション戦略を設計する。買ってもらえたら、感謝の念を送り、ひとりでも多くの顧客にファンになってもらう。そしてファンやファンフルエンサーを大切にする。 その続き。 そもそも最高の商品・サービスって?そもそも、最高の商品、サービスってなんでしょう。何が最高なのか。それは他の商品じゃ代替不能なのでしょうか。 僕は、26歳でマーケティングに携わる仕事に就いて、以降20年、商品開発やマーケティングリサーチやコミュニケーション戦略のご支援に関わってきました。 クライアントの90%以上は、メーカーやサービス企業です。 だから、企業の(広義の)マーケ
ECだけではなく小売店舗を中心に多くの販売チャネルをもつメーカー企業。伝統的なメーカー企業では長い歴史を経て多くの販売手法やマーケティング手法を蓄積しています。そんなメーカー企業でのEC&通販事業は、取り組みには様々な苦労と、それを乗り越える独特の工夫が多く凝らされています。 本連載では千趣会や大塚製薬、JIMOSなど企業規模や業種・職種を超えて幅広く、EC&通販に携わる経験を蓄積し、現在は株式会社プランクトンR取締役を務める川部篤史さんが様々なメーカー企業のEC&通販担当者にインタビューし、その独特な勝ち筋や手法を聞いていきます。 第1回目はトミカ・プラレールや、リカちゃんでおなじみの株式会社タカラトミーです。EC・通販事業を加速するに当たり、多くのオリジナル商材を開発する中で、商品のラインナップの構築や、Twitterなどを駆使することで商品開発と売り上げの相関性をどのように見つけてい
「2018年○○が選ぶベストコスメ第1位」「○○クチコミランキング第1位」…。このようなフレーズが表示されたバッジを、最近よく見かけませんか? 雑誌やウェブメディアなどのパブリッシャー、口コミサイト、ECサイトなど、発信元はさまざまですが、このような「ランキングバッジ」(と私たちは呼びます)は、生活者にとって、ひとつの大事な情報源となってきています。 そこで電通と電通デジタルは、共同調査プロジェクトを立ち上げ、ランキングバッジが生活者にどの程度影響を与えているのかをリサーチしました。その調査結果を2回にわたってご紹介します。第1回はランキングバッジのメディア的な価値にフォーカスします。 口コミ情報の重要性が高まっている社会的な背景と、その延長線上にあるランキングバッジの意義。これらを把握することで、広告/プロモーション領域の知見が深まり、メディア提案の質向上につながるはずです。 なお、調査
マーケティングやビジネスに関わる方なら、みんな「AIDMA」や「AISAS」をご存知だと思います。 AIDMAとは、消費者が購買を決定プロセスのことです。これは ・製品の存在を知る(Attention) ・興味をもつ(Interest) ・欲しいと思う(Desire) ・記憶する(Memory) ・購買する(Action) の頭文字をとったものです。Wikipediaによると AIDMAとは1920年代にアメリカ合衆国の販売・広告の実務書の著作者であったサミュエル・ローランド・ホールが著作中で示した広告宣伝に対する消費者の心理のプロセスを示した略語である。となっています。 昔の広告らしいなーという感じはするものの、今の日本でも、「人に欲しいと思わせるために恐怖などの感情を刺激したり、一貫性を持って量を投下しまくることで、記憶させる」という手法はよく使われるので、非常に優れたフレームワークと
マップの作成事例具体的な集客マップの作成方法としては、「知らない層」「知っている層」「ファンの層」のユーザーの層ごとに、入口と出口の設計して、図式化していく。 知らない層へのアプローチ方法たとえば、「知らない層」へのアプローチ方法として今回の青木氏の場合、入口と出口は大きく分けて3つある。 入口設計スイーツ関連のInstagram スイーツ関連のInstagramを公式アカウントとしてポストして「#フランス」、「#お菓子」、「#高級マカロン」などといったハッシュタグをつけて、ポストして青木氏の認知促進を促す お菓子や料理など興味関心に基づくバナー広告 お菓子や料理といったことに興味関心がある人にインタレストマッチのバナー広告を活用してアプローチしていく スイーツ購入検討段階で検索連動型広告 スイーツの購入を検討しているタイミング、たとえば「スイーツ」、「通販」、「父の日プレゼント」、「バレ
個性的なネーミングを武器にブランド力を向上させ、売り上げ増を実現する──そんな手法を事例を基に考える特集の第2回。資生堂のコスメブランド「マジョリカ マジョルカ」の商品名は、魔法の呪文のような独特なもの。若い女性のセンスにフィットするネーミングは、どのように決まるのか。 資生堂の「マジョリカ マジョルカ」(以下、マジョマジョ)は、2003年から続くロングセラーのコスメブランド。ファンデーションからアイシャドー、チーク、リップ、ネイルなど幅広い商品を展開している。それぞれの商品に多様なカラーバリエーションがあるが、その色の名前が風変わりなものばかりだ。 例えば、リップ「ピュア・ピュア・キッス NEO」は現在全14色で、各カラーの名前は「主役」「密告」「令嬢」「ちやほや」など。アイシャドー「オープンユアアイズ」は全5種で、カラーの名前は「目くばせ」「最短距離」「おとなり」「最長記録」「急展開」
ロッテが、銀座三越で開催されるアイスクリーム万博「あいぱくTOKYO」にて、小さなアイス屋さん「とんがりクーリッシュ」を4月24日、5月4日、5日の3日間限定で出展。3日間で計900セットの「とんがりコーン」と「クーリッシュ」をサンプリングした。 「とんがりクーリッシュ」とは、ハウス食品が提供する「とんがりコーン」をソフトクリームのコーンに見立て、その上に「クーリッシュ」を絞った食べ方で、小さなソフトクリームのような見た目がかわいいとソーシャルメディアで話題になった。それを受け、さらに多くの人に「とんがりクーリッシュ」を楽しんでもらいたいと、公式に紹介することを考えたという。 出展ブースでは、その場で「とんがりクーリッシュ」を体験してもらい、つくった「とんがりクーリッシュ」とともに写真撮影できる、全長110センチの小さなアイス屋さんのフォトブースも用意した。 「とんがりクーリッシュ」を体験
SNS時代の美術館マーケティングはどうあるべきか? 森美術館広報・洞田貫晋一朗に聞く2019年6月、興味深い書籍が刊行された。『シェアする美術 森美術館のSNSマーケティング戦略』(翔泳社)は、SNS全盛の現代における美術館のデジタルマーケティング戦略を説くものだ。同書を執筆した森美術館広報・プロモーション担当の洞田貫晋一朗に、本書執筆の背景や、これからの美術館SNS戦略のあるべき姿について話を聞いた。 文=橋爪勇介 森美術館内観(センターアトリウム) 画像提供=森美術館 交通広告には頼らない 森美術館13.5万人、国立新美術館5万人、東京国立博物館1.6万人。これは入場者数ではない。各館のInstagramフォロワーの数だ。現在、森美術館が日本でもっとも多くのInstagramフォロワーを有する美術館であることはご存知だろうか。 2010年にローンチされた写真共有サービス・Instagr
『MarkeZine』が主催するマーケティング・イベント『MarkeZine Day』『MarkeZine Academy』『MarkeZine プレミアムセミナー』の 最新情報をはじめ、様々なイベント情報をまとめてご紹介します。 MarkeZine Day
オイシックス・ラ・大地が運営する食品宅配サービス「Oisix」が人気アニメ「クレヨンしんちゃん」とコラボレーション。5月12日の母の日に合わせ、「#拝啓_野原みさえ様」と題した広告を、5月6日から東武伊勢崎線春日部駅に掲出した。 「拝啓 野原みさえ様」から始まるこの広告は、「Oisix」から主人公「しんちゃん」の母親である「野原みさえ」へのメッセージ形式。子育てや家事に追われる日々の苦労をねぎらい、「おかあさんの暮らしが変わる日まで、Oisixも変わり続けていきます。」と結んでいる。ソーシャルメディアで拡散されるなど、大きな反響があったことを受けて、5月19日まで掲出期間を1週間延長した。 同社の総合マーケティング本部 本部長の井上政人氏は「野原みさえさんが『3分間で子育てや家事をこなす』という作品中のシーンをTwitter上で目にし、気になっていました。というのも、その3分間には『Ois
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