▶ 無藤隆先生(白梅学園大学 名誉教授) 今回の調査はこれまでの5回の調査から見える大きな時代的トレンドとともに、コロナ感染症の流行のただ中における生活状況を反映している。おそらく乳幼児を抱えた家庭として時に園を休む期間もあり、また外出もできないでいたかもしれない。親のリモート勤務で親が在宅でいる家庭も増えただろう。中には収入が減った家庭もあるのかもしれない。将来への不安も増したかもしれない。前回調査後には保育の無償化も実施された。そのことが保育施設への期待へ影響しているかもしれない。また3歳未満の待機児童がようやく解消に向かう時期でもある。とはいえ首都圏への調査であるから必ずしも少子化が急激になっていなかったかもしれない。 全体として、核家族として家庭で過ごす時間が長くなり、また大事にされているのだろう。子どもと親がともに過ごすことが多い。それは祖父母や近隣での付き合いが減っていること