[復刻版]中等歴史 東亜及び世界篇〈東洋史・西洋史〉 文部省 著 三浦 小太郎 解説 2022.02.11 発行 ISBN 978-4-8024-0133-3 C0021 A5並製 232ページ 定価 1870円(本体 1700円) 「解説」より一部抜粋 本書の「序説」を読む限り、本書は、大東亜戦争下という状況が生み出した「皇国による東亜の解放と世界の平和建設」という歴史観に基づいて編纂された国定教科書としか思えないだろう。 ところが、本書本文に触れてみれば、読者はその文体も思想も、序説で求められている姿勢とは無縁、というより正反対の、東洋・西洋両史における、現代でも通用する公正で学問的な記述に満ちていることがわかる。この差異に、筆者は当時の国策と、それに追従しなかった教科書執筆者たちの良識を読み取る。 さらに本書の特徴は、その言葉自体は使われていないが「アジア史観」というべき視点が打ち出