1992~95年のボスニア・ヘルツェゴビナ紛争をめぐって集団殺害(ジェノサイド)の罪などで起訴された元セルビア人勢力の軍司令官ラトコ・ムラジッチ被告(74)に対する論告求刑公判が7日、オランダ・ハーグの国連旧ユーゴスラビア国際法廷で開かれ、検察側が最高刑の終身刑を求刑した。ロイター通信などが伝えた。 ムラジッチ被告は紛争最終局面の95年7月、セルビア人勢力によって7千人以上のボシュニャク系男性住民や少年が殺害された「スレブレニツァの虐殺」や、多くの一般市民が狙撃の標的になった3年8カ月にわたるサラエボ包囲を直接指揮したとして起訴され、長年の逃亡生活の末に2011年にセルビア当局に拘束された。 検察官は「被告に最高刑以外の判決を下すことは、生き延びた人も死亡した人も含め、犠牲者に対する侮辱だ」と主張した。判決言い渡しは、来年後半と予想されている。(喜田尚)