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ブックマーク / dongfang99.hatenadiary.org (30)

  • 与謝野馨の入閣について - dongfang99の日記

    与謝野氏:消費増税・社会保障改革に執念、能力問われる「仕事師」 http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920019&sid=aERQfTF3Hb4c 1月14日(ブルームバーグ):「たちあがれ日」を離党し、経済財政相として入閣することになった与謝野馨元財務相は、自民党時代から「財政再建派」として日の財政状況への危機感を訴え、税制・社会保障制度改革に執念を燃やしてきた。直前まで野党にいた議員がいわばヘッドハンティングされる形で政府の要職に就くのは異例。与野党の理解を得て悲願の消費税増税と財政再建に道筋をつけることができるか、ベテラン政治家としての調整能力が問われる。 与謝野氏は13日の記者会見で、菅直人首相が掲げる税制・社会保障制度の抜改革について「財政再建、税制の抜改革、社会保障制度の持続性の確保、これはいずれも日の社会がどうしても

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  • 誰も代表できていない - dongfang99の日記

    前回のエントリは、ややもすると国民の政治的見識の低さを嘆くようなものに受け取られがちだが、そうでは断じてなく、あくまで国民が自分で何を選択しているのかわからなくなっているような、政治的な状況を問題にしたものである。 たとえば、いま日の世論で、比較的関心の高いテーマは年金であるが、テーマの性質上は必然的に「大きな政府」を志向するはずである。つまり、年金財政が厳しくなっているとしたら、年金を負担している現役世代の人口が減少して雇用が不安定になっているからであり、だから少子化対策として家族への公的福祉が、雇用の安定化のためには政府による職業訓練や雇用創出の拡充が、さらには雇用の安定化の前提として教育の公的保障の充実が不可欠になる、という風に議論が展開しなければならない。これらの政策を前提とした増税は、たとえ消費税であっても、間違いなく社会全体の負担を緩和させることになる。自分の知る限り、真面目

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  • おそろしく実体がない - dongfang99の日記

    片山総務相「地域主権へ住民の満足度高める改革を」 社インタビュー 2011/1/3 15:36 情報元 日経済新聞 電子版 片山善博総務相は、日経済新聞社産業地域研究所のインタビューで、地域主権改革の実現へ向けた菅内閣の指導力を強調した。総務相は「確かに(官僚の)抵抗は強いが、最後は政治家が決める。そのために決定権や人事権がある。閣僚が気でやりたいと言ったことが決まらないはずはない」と語った。・・・・・ 「地方分権」「地域主権」論には、現行の議論には強い違和感をもちながら、原理的というか理屈としては賛成しているところもあって*1、今まであまり批判的なことを書けてこなかったのだが、そろそろ違和感そのものを素朴な形で表現しておこうと思う。 「地方分権」「地域主権」を唱えられている背景は、草の根の地方の声が高まったからでは決してないことは言うまでもない。あえて言わせてもらえば、一つには全

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  • どうなったらひっくり返るのか - dongfang99の日記

    図録▽OECD諸国の給与水準 社会実情データ図録 はてなブックマーク http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/5193a.html 公務員に関するデータを見せると、やはりというか、「でも一人当たりが」「独法などが」「天下りの問題が」などと、屁理屈をつけて反発する人が後を絶たない*1。データと実感の違いについて思考を進めるべきなのに、データ自体が恣意的であるかのように考えたがるわけである。自分の知る限り、こういうデータが「恣意的」であることの、説得的根拠を聞いたことがない*2。もっとも、自分も最初は「カラクリがあるのでは?」「偏っているのでは?」と疑問をもっていたが、知れば知るほどそういう疑問に根拠ことがないことを悟り、今は単純に公務員が少ないという事実から出発すべきだと考えている。 日の一人当たり賃金が高くなっているのは、長期のデフレ不況による民間の低賃金化の影響と

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  • 子供に持たせてはいけない刃物 - dongfang99の日記

    どうも、日銀が金融政策を気になって採用すれば、円高不況も、赤字国債の解消も、失業問題や社会保障財政もいっぺんに解決可能になるかのような物言いがしばしばある。半分くらいはその通りと思いつつ、またあえて挑発的に言っていることも理解しているつもりだが、最近こうした物言いがますますエスカレートしているのが気になる。経済の素人は、極論に懐疑的に接する良識的な人ほど、こうした議論を警戒するようになるだけだろう。 自分の乏しい経済学の理解では、金融政策ができるのは「雇用が増えやすい経済環境をつくる」ところまで、つまり畑に水や肥料をまくといったところまでで、それが実際に十分かつ健全な雇用と所得といった果実をもたらすかどうかは、慎重に分けて考えるべきだろう。何度も言っているが、金融政策で真っ先に恩恵をこうむるのは、ホリエモンのような投資と消費の意欲が旺盛な若手経済エリートであり、貧困や過労の最前線にいる人

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  • 単純な所得再分配は反福祉国家的 - dongfang99の日記

    ミネラルウォーターと保育園 鈴木亘 http://synodos.livedoor.biz/archives/1498293.html 鈴木氏のような立論に対してよく感じる違和感の一つは、貧困者や身障者への対策の話になると、「それは別の対応をすればいい」「いくらでも保障の方法がある」という言い方になっていることが多いことである。 これは福祉国家論でいう、政府の社会保障は市場で対応できない部分に限るという、「残余モデル」の考え方である。残余モデルの問題は単に所得再分配が弱いということではなくて、再分配を「当に困っている人」「当に働けない人」にのみ限定してしまうことである。そのため、福祉サービスが富裕層・中間層から低所得者への「慈悲」「恩恵」のような性格を強め、サービスを受けている人へのスティグマも強くなりがちである。つまり「生活保護のくせに高級車を乗り回している」的なバッシングである。そ

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  • 泥臭い政治 - dongfang99の日記

    ここのところ、民主党政権の混迷に関して思うところを書いてきたが、きちんと考えてなかった重要な問題として、1990年代末以降に激増した年金生活者や非正規雇用者に対して*1、民主党をはじめとする各政党が支持獲得の仕方を間違えてきたことを指摘する必要がある。 かつて55年体制下では、大雑把に言えば、自民党が財界と農家・漁業者の利害関心を代表し、野党と左派政党が労働組合や教職員・知識層の利害関心を代表していたことはよく知られている。自民党と民主党の違いも、ある程度はこの対立構図を引き継いでいる面がある。こうした既存の政党の旧来の支持層は、基的に「まともな仕事についている」人たちだった。だから、彼らを政治的に動員するためには、農協や労組などの産業団体や職場組織などにターゲットを絞ることが標準的な手法だった。補助金行政や公共事業政策も、それによって恩恵を受ける人が多かった時代は、メディアからの批判が

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  • 「ポピュリズム」とは何を指すのか - dongfang99の日記

    先週「大阪W選挙」で圧勝した橋下前大阪府知事の政治手法は、「ポピュリズム」と称されることが多い。「ポピュリズム」は政治学者による研究の蓄積はあるようだが*1、政治学の教科書や事典でも物によっては項目がなく、一般には「有権者をバカにした人気取り政治」という否定的な意味合いがあるので、個人的にはこの言葉をほとんど使わないようにしている。しかし「橋下人気」の盛り上がりで、「ポピュリズム」の言葉をあちこちで目にするようになるにつれて、「ポピュリズム」と名指される事態が何であるのかについてあらためて気になったので、ここで簡単に触れてみたい。 「ポピュリズム」は、れっきとした民主主義をめぐる概念の一つである。たとえば、民主主義の考え方は、大きく二つに分けることができる。一つは、様々な利害や価値観をもった個人や集団の間の対立や話し合い妥協のプロセスであると考えるものと、もう一つは住民や国民全体が共有する

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  • 「身を切る姿勢」は泥沼の道 - dongfang99の日記

    ここのところ、野田首相を筆頭に「増税の前に身を切る姿勢を」という主張が盛んであり、実際に議員定数や公務員の人件費などの削減が実行に移されようとしている。ここでも繰り返し述べてきたが、これは全面的に間違ったものである。議員定数や公務員の人員は、民意を政治的に代表する適切的な規模や、必要とされる行政事務の仕事量に応じて決められるべきであって、社会保障財源のための増税とはまったく関係のない問題である。 むしろ、国民の生産と消費における社会保障の比重が高まることは、一般には民意の複雑化・多様化をもたらし、行政の国民の生活保障に対する役割が増えることであるから、増員の主張が起こるほうが自然である。メディアはよく「議論が尽くされていない」「説明が足りない」などと政権与党を批判するが、議員定数削減の是非については、議論や説明が不足しているという以前に全くなされていない状態である。 そもそも、「増税の前に

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  • じゃあ、お前はできるのか - dongfang99の日記

    今の民主党代表選とは直接関係がないが、色々政治家に対する批判を聞いてて思うのは、「じゃあ、お前はできるのか」ということを、もう少し反省してもいいのではないか、ということである。 もちろん、政治家は批判されるのも仕事の一つではあろうが、批判する側にも「じゃあ、お前はできるのか」と突っ込まれる可能性がある、という緊張感を少しは持ってほしいものだと思う。とくに首相の「経済音痴」をつかまえて小馬鹿にしている人が少なくないが、批判の中身はその通りかもしれないとしても、聞いていて非常に不愉快になる。それはほとんど、サッカーの監督の采配を外野から「あんな監督だったら俺が采配したほうがマシ」と、無責任に批判しているのと同じ調子である。 経済政策を重視している人のなかには、「政治と金」の問題なんかどうでもいい、「政策の中身」のほうが重要だ、などともっともらしいことを言う人もいる。しかし税制改革でも金融政策で

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  • 使えるものは使えばいいというだけの話 - dongfang99の日記

    ときどき、「消費税増税はショックで自殺者を出す」みたいな意見を見るのだが、それは金融政策も同じではないだろうか。仕事の激増に対して賃金上げや人員増が追いつかず、少なくとも短期的には過労死・過労自殺を増やす可能性が高いし*1、少ない年金と預金で暮らしている(まさにデフレだからなんとかもっている)独居老人などは、生活が成り立たなくなって自殺するしかなくなるだろう。金融政策で景気を回復したとして、このような「生きる場所がなくなった」と絶望感を深めた(人口規模は大きい)高齢世代が、政治をとんでもない方向に導く可能性がある。 経済学系の人が金融政策をトッププライオリティに置くのは仕方ない(というか当然である)が、それが成功するかどうかは適切な再分配政策・社会政策が行われるか否かにかかっている、ということは常々強調しておくべきだと思う。公務員や高齢世代の「既得権」を批判する文脈で金融政策が支持・推進さ

    使えるものは使えばいいというだけの話 - dongfang99の日記
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    facebooook 2015/01/17
    “褒められた政府じゃないからといって、あれこれ難癖をつけて政府の持つ潜在能力を縛って損をするのは、結局のところ市場だけでは十分に所得を得られていない貧困者”
  • いまだによく理解できていない - dongfang99の日記

    この数年「地方分権」や「地域主権」の話が盛んだが、自分はその国が地方分権的な体制を選択するかどうかは、その国の「国情」によるとしか言いようがないと考えている。ドイツや北欧、アメリカなどが地方分権的な体制であるのは、これらの国の歴史的な成り立ちを振り返れば理解可能である。こうした国は、領邦や教区、結社の伝統があったり、ボランティアやNPOが盛んであったりなど、地方分権体制を支える社会的な条件が存在している。それに対して、今の日で「地域主権」を唱えている人たちは、それを支える基盤に何を想定しているだろうか。自分はさっぱりわからない。例えば、スウェーデンの地方分権制度を賞賛する人は、「コミューン」と同等の機能を果たし得るものが、今の日に見出すことができるとでも考えているのだろうか。 そもそも、日で語られる地方分権や「地域主権」というのは、「脱霞が関」以上の意味を持っていない。「地域主権」を

    いまだによく理解できていない - dongfang99の日記
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    facebooook 2015/01/17
    “今の日本で「地域主権」を唱えている人たちは、それを支える基盤に何を想定しているだろうか。”
  • ベーシック・インカム論の堕落 - dongfang99の日記

    最近ベーシック・インカム(BI)の議論を目にすることが多くなったが、それ自体はいいことではあると思う一方で、びっくりするのは普通の「政策提言」として語る人が増え始めたことである。 そもそも自分が知り始めた頃のBIの議論の主題は、「人は生きているというだけで無条件に分配を正当化できるか」という問題であり、「どうして働こうとしない連中にも俺たちの税金が」と反応する反対者を、どう説得するかの論理と言葉を粘り強く引き出そうとする思考実験のプロセスが、非常にエキサイティングだったことを記憶している。 だから、この次元の問題に直面するはるか以前の現在の日社会で、BIを真面目に「政策提言」している人を見ると、驚くというよりも憤りを感じる。来BI論は、働く能力や意欲を奪われてしまった人たちを、「お荷物」や「負担」として扱わない社会をどう構築するか、という強い倫理観に支えられていたはずだったのだが、今の

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    facebooook 2015/01/17
    “働く能力や意欲を奪われてしまった人たちを「お荷物」「負担」として扱わない社会をどう構築するか、という強い倫理観に支えられていたはずが、今日のBI論争では、お手軽な再分配政策、しかも
  • 政治家のリーダーシップ - dongfang99の日記

    最近、政治家に対して投げかけられる批判として、「リーダーシップがない」「頼りがない」というものが多くなっている。 しかし、それ自体はその通りだとして、そんなことを言ってもしょうがないのではないか、という気持ちが自分の中にはある。20年以上政治の世界に身を置き、幾度の選挙を潜り抜け、党内の権力闘争のなかで代表の座を勝ち取った人が「頼りがない」というのであれば、もうそれは日政治風土の問題として受け入れるしかないだろうと思う。 それにしても、日のマスメディアと世論は、ある政治家や政党に対して、権力の座を取るまでは妙にチヤホヤし、権力を握ったらスキャンダルまみれにする傾向がある。外国を見ると逆で、選挙期間は唖然とするくらいのスキャンダル合戦が繰り広げられるが、一度政権を獲得するとスキャンダルに対して意外なほど寛容になる。 考えてみれば当たり前で、当に指導者にふさわしいのかどうか、という段階

    政治家のリーダーシップ - dongfang99の日記
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    facebooook 2015/01/17
    “日本のマスメディアと世論は、ある政治家や政党に対して、権力の座を取るまでは妙にチヤホヤし、権力を握ったらスキャンダルまみれにする傾向がある”
  • 「再分配のパラドクス」について - dongfang99の日記

    財政学者の神野直彦氏の「再分配のパラドクス」について、分かりやすい解説を見つけたので備忘録として引用しておく。 再分配のパラドックス ― 博多連々(はかたつれづれ) http://ryuseisya.cocolog-nifty.com/hakata/2010/08/post-da12.html 当に支援が必要な人”にのみ集中的に支援する方法は、 ・支援の有る/無しのギャップが大きい ・ボーダー付近で支援を受けられない人は、支援を受ける人より苦しくなる「逆転現象」も起きる ・支援を受ける人へのまなざしが非常に厳しくなる(「当に困ってるのか?」「怠けてんじゃないのか?」「ウチだって苦しいのに、不公平じゃないか」etc.) ・支援を受ける条件・審査を厳しくせよという圧力が高まる ・条件がどんどん厳しくなり、ボーダーが下がる ・支援されてしかるべき人が除外されていく ・支援全体が縮小する 「再

    「再分配のパラドクス」について - dongfang99の日記
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    facebooook 2014/12/02
    「子ども手当て」の問題は、高所得者も受給できてしまえるという点ではなく、ワーキングプア状態のシングルマザーを再生産しないような、制度的な設計を欠いている点にある。」
  • dongfang99の日記

    「平成24年版厚生労働白書 −社会保障を考える」に対して、「教科書的」という好意的な評価がある一方で、「経済学の知見がない」という批判が散見された。あまり正当な批判ではないと思う一方で(経済学の教科書に「社会保障論の知見がない」と批判するようなものなので)、社会保障制度が経済にどう貢献するのかについて改めて考えたくなったので、以下に簡単に述べておきたい*1。ちなみに、これは厚労省白書のように「教科書的」なものでは全くなく、人によっては「いまさら」の話かもしれないが。 第1に、希少資源を奪い合う「生存競争」を抑止し、付加価値を高めるための競争を促進する。政府による基的生存の保障がなく、市場競争が純粋に「生き残るため」の競争になってしまうと、「俺たちの生活がかかっているのにそんな冒険できるか」と、ビジネスの現場で斬新なアイデアや発想は排除されて、確実に目先の利益を確保できるような旧来のやり方

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  • 消費税の政治学 - dongfang99の日記

    ヨーロッパが消費税中心主義になっていった背景にはいろいろがあるが、政治的な理由を忘れるべきではない。 第一には「納税者の反乱」である。つまり、1970年代に福祉国家の完成によって「失業してもっていける」社会となると同時に、「脱工業化」のなかで大規模な雇用そのものが困難になると、構造的な失業者が大量に増えるようになった。それにつれて、現役労働者が福祉のための高い税負担に反発するようになり、これ以上税金が増えるなら福祉サービスを切り下げるべきだという声が、急速に強まっていくことになる。 第二には、外国人労働者の流入である。彼らは低賃金労働者が多く、所得税を払ってない人の割合も高く、住民税も出身国で納めていることが多いが、福祉サービスは多数の国民とそれほど変わらない水準を享受している。このことに対する多数派国民の感情的な反発が、ヨーロッパにおける「ショービニズム」の背景にあることは、周知の通り

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    facebooook 2013/09/28
    「ショービニズム」 xenophobia
  • 前回の追記 - dongfang99の日記

    前回の追記として書いたが、長くなったので分割。 まさか誤解している人はいないと思うが、一応ことわっておくと、自分は経済成長と社会保障政策が両立しないなどと言っているわけではなく、むしろその両立可能性を真剣に考えるためには、両者が別々の原理によって成り立っているということを出発点にしなければいけない、ということである。例えば社会保障論の立場からしても、中途半端に福祉に配慮した経済学を構想するよりも、たとえ自殺者や貧困者を増やすことになっても、社会全体の富を増やしたり生産性を高めたりするような割り切った経済理論を構築してもらったほうが、はるかに有益なのである。むしろ、福祉を経済学的に正当化しようとする変に真面目な人のほうが、妙な善意や正義感で社会保障の専門家の議論を否定するような主張をするので、かえって性質が悪いというか危険だと思っている*1。 だから、社会保障が経済成長に寄与すると考えている

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  • 不勉強なだけかもしれないが - dongfang99の日記

    金融政策も再分配政策の一種だという主張をどこかで見かけたのだが、さすがに驚いた。自分の乏しい経済学の理解では、金融政策によって起こるのは、預金や資産を溜め込んでいる人から、どんどんお金を遣って投資や消費をしたいという人にお金が流れることである。だから、金融政策の恩恵を真っ先に被る人は、投資意欲の旺盛なホリエモンような経済エリートであって、身障者やシングルマザーのような、今すぐにでも分配を必要としている社会的弱者ではない。 今の日において金融政策に期待される役割は、莫大な貯金と資産を溜め込んでいる高齢者から、若手経済エリートにお金を流して経済を活性化させることにあると考えられる。だからこそ、若手経済エリートの利害関心を代表しようとする「みんなの党」は、(支持者のなかに無理解者が多いとは言え)金融政策に熱心なわけである。断っておけば、これは金融政策が無意味あるいは問題があると言いたいのでは決

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  • 現状は難しい - dongfang99の日記

    税金を上げると景気が悪くなる、という論理がさっぱりわからない。増税を支持する人も批判する人も、増税というと「財政再建優先主義」だという誤解がある(少なくともそういう勢力を元気付けてしまう点で筋悪だという理解がある)が、何のために税があるのかという根的なところで間違えているように思う。 たとえば、「ワーキングプア」や生活保護受給者にアパートを貸している民間業者が「貧困ビジネス」として批判の対象になっている。彼らの生活は、家賃や光熱費を支払うだけでギリギリであり、娯楽や投資の余裕などあるわけがなく、結果として経済全体を冷え込ませてしまう。これは貧困者への受託支援を民間企業に委ねれば、どんなに良心的な経営者であろうと、多少なりともこうなるのは避けられない。 この問題を解消するためには、貧困者が自分でお金を出してアパートを借りるのではなく、公的な住宅扶助を通じて住処を確保できるようにしなければな

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