温州ミカンを多く食べる人は、あまり食べない人に比べ、日本人の糖尿病患者の9割以上を占める「2型糖尿病」になりにくい――。 こんな研究成果を、農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所(茨城県つくば市)と浜松医科大などの研究チームが発表した。温州ミカンに多く含まれる成分の効果とみられ、論文が英国の専門誌に掲載された。 発表によると、チームは、温州ミカンの産地として有名な浜松市北区三ヶ日地区の住民1073人について、2003年から10年間にわたり、食生活や生活習慣と疾患の関係についての追跡調査を実施。2型糖尿病の発症と温州ミカンの摂取量との関係を、統計学の手法で分析した。 その結果、調査開始時に健康だった人たちのうち、温州ミカンを1日に3、4個食べるグループは、あまり食べないグループに比べ、2型糖尿病を発症するリスク(危険)が、57%低下した。脂質代謝異常の発症リスクも、34%低下した。 チーム