悩み続けるなかで、橋本は、病院で医師がただ待っているだけでよいのかという疑問に行き当たった。こうした虐待が起こる前の段階で、何か自分にできることはないのだろうか。 そして東京大学大学院に入学し、公衆衛生学を学び、社会的な視野を広げると同時に、医師以外、なかでもインターネットビジネスを手がける仲間との交流が増えるうちに、可能性の光が彼の心を照らし始める。 「それまでもWordPressでサイトを自ら立ち上げて医療相談をしたり、Skypeなどを使って、友人の子育ての相談に乗ったりしていたのです。対面でなくてはできない医療もありますが、実はいちばんニーズが高いのは、その手前、相談の段階なのですね。それにより『安心した』という喜びの声を数多くいただき、この仕組みを生かしてできることがあるのではないかと、閃いたのです」 テクノロジーが可能性を切り拓いてくれる。妊産婦や子育て世代の病院受診以前の相談に