全国的にも珍しい取り組みで、陸軍幹部が視察に来るほどだったという。記者が映像を頼りに取材を進めると、終戦後に処分命令が出ていた写真や動画フィルムを、当時の校長がひそかに自宅に持ち帰って保管していたことがわかった。 「とつげきー!」校庭に響く声 刀剣を頭上に突き上げた部隊長の号令が校庭に響く。「ぜんたーい、とつげきー!」。幼い声を合図に、鉄砲を抱えて伏せていた子どもたちが一斉に前方へ飛び出す。国立映画アーカイブ(旧・東京国立近代美術館フィルムセンター)に所蔵されていた映像には、当時の戦争ごっこの様子が克明に記録されている。朝日新聞が1938~43年に制作した子ども向けニュース「アサヒホームグラフ(当初はアサヒコドモグラフ)」のものだ。 戦車が土煙を上げて動き、プロペラ戦闘機が入り乱れる。それらの乗り物も、激しい音を上げる高射砲や機関銃も全て、竹や木で自作したおもちゃ。きびきびと動いているのは