マハリシを揶揄したシャンカル LSD体験、バーズのシタール指南 『ラバー・ソウル』 ポール、遂にLSD体験 ラヴィ・シャンカル マニラでの恐怖体験 キリスト発言 インドとビートルズ: シタール、ドラッグ&メディテーション 作者:アジョイ・ボース 青土社 Amazon マハリシを揶揄したシャンカル 一九六八年三月クアラルンプールをツアー中(略) ラヴィ・シャンカル(略)『ビートルズからグル呼ばわりされ続けるのには怒りを覚える。これは搾取だ』と、彼は先週当地の記者に語った」 (略) スカンヤ・シャンカルは、亡くなった夫がマハリシを密かに揶揄していたと明かす。「彼は物真似が上手で、よくマハリシのしゃべり方や、あの有名な笑いを真似て、みんなを笑いの渦に巻き込んでいました」(略) マハリシが、超越瞑想を西洋に売ることにより世界に一大帝国を築いた事実に、夫が時々驚きの表情を見せていたとも言う。「シター
【連載】前田健太郎「政治学を読み、日本を知る」(9) ソーシャル・キャピタルと統治の質 民主主義体制において、良い政治が行われる条件は何か。前回は経済格差への対応を取り上げたが、今回は統治の質を考える。一九九三年に出版されたロバート・D・パットナムの『哲学する民主主義』(河田潤一訳、NTT出版、二〇〇一年)は、この問題を論じる上で欠かせない。 ロバート・D・パットナムの『哲学する民主主義』(河田潤一訳、NTT出版、二〇〇一年) 本書は、市民団体の活動が民主主義を改善するという命題で有名となった。そのメカニズムとして、本書は市民社会の人的な絆、すなわちソーシャル・キャピタル(社会関係資本)の働きに注目する。市民が互いを信頼し、協力し合うことでソーシャル・キャピタルが蓄積すれば、政治制度のパフォーマンスが向上し、それが経済の発展につながる。このメカニズムの鍵を握る要因である信頼は、地位の上下を
ドナルド・L・ギルマン著 『スタン・ゲッツ 音楽を生きる』 スタン・ゲッツは二人目の妻のモニカがスウェーデン出身だったこともあって1950年代後半からヨーロッパでの活動が増えた。そのせいでアメリカ合衆国国内での人気にはいささか翳りが出ていたが、そのゲッツを再びトップクラスの人気に引き上げたのが『ジャズ・サンバ』や『ゲッツ/ジルベルト』などに結実するブラジルのミュージシャンたちとの仕事であった。もっともこれらの仕事は順風満帆にいったのではなかったようだ。 「閉じこもりがちで、病的なまでにシャイなジョアン・ジルベルトが、セッションを行うためにホテルの部屋を出るのを拒否」するということがあった。「録音の当日、モニカがグループを災難から救った」。 「ポルトガル語がいくらか話せるモニカが自ら志願し、彼をなだめて連れ出すために、その部屋に行った。/モニカは三時間もかけて懇願し、議論し、甘い言葉を囁い
色川大吉『日本人の再発見―民衆史と民俗学の接点から』を読んだ。 日本人の再発見―民衆史と民俗学の接点から (小学館ライブラリー) 作者:色川 大吉 メディア: 新書 内容は、紹介文の通り、 近代史家の著者が“自分史”運動を実践しながら、民衆の生活の場に視点をすえて展開する日本文化論、草の根からの日本人論。著者は民衆の一人として、歴史を作り支える役割を語りかける。 というもの。 まさに色川史学といった感じの内容である。 以下、特に面白かったところだけ。*1 水俣と日本窒素 日本窒素の創業者野口遵が大口の近くに曽木発電所を開業して、安い電力エネルギーを金山に供給するようになった (194頁) 政府は日露戦争後に塩の専売を施行して、製塩業を潰した。 そのために、製塩業に依存して生活していた人々の仕事と収入は奪われた。*2 *3 日本窒素肥料株式会社は、そうして路頭に迷った人々の労働力と、利用法を
慶應ビッグバンドサークル コルトレーン死去 荒井由実 アルファミュージック誕生 アメリカ村 荒井由実デビュー 山上路夫 赤い鳥解散 荒井由実デビューコンサートに勝新 「ファースト&ラストコンサート」 [アルファの伝説] 音楽家 村井邦彦の時代 作者: 松木直也 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2016/08/20 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 慶應ビッグバンドサークル [63年慶大入学]晴れてライト・ミュージック・ソサイエティに入部。 レギュラーメンバーは17人。ジュニアバンドにはその倍の部員たちが控えるという環境のなか、厳しい切磋琢磨があった。村井はレギュラーに選ばれたものの、ライトには、日本の音楽史に名を残すシャズクラリネット奏者の北村英治、作曲家・ピアニストの三保敬太郎、同じく鈴木邦彦、ジャズピアニストの大野雄二、佐藤允彦らが在籍し、村井はそ
今から1000年の昔の日本は、いったいどのような社会だったのか? 天皇や貴族たちの生活は? はたまた、ドラマに登場する紫式部や藤原道長たちはどのような人物だったのか? 時代考証を担当する倉本一宏氏に、最新の研究成果も交えながら解説してもらった(後編はこちら)。 戦もなく、人々が比較的豊かだった平安時代はもっと評価されていい ――「光る君へ」の時代考証を担当することになった経緯を教えてください 2022年5月に「光る君へ」の内田ゆきチーフ・プロデューサーからご連絡をいただき、作品の内容について相談を受けて、それに応えるという日々が続いていたのですが、そのうちにスタッフのみなさんからも相談を受けるようになって、正式に時代考証を担当することになりました。 お引き受けした理由は、平安時代史、当時の政治状況や後こう宮きゅう(天皇のきさきや女官たち)の情勢、人々の生活を、より多くの方に理解してもらえる
ファンク・ブラザーズ 録音技術 H‐D‐H 前回の続き。 モータウン・ミュージック 作者:ネルソン ジョージメディア: 単行本 ファンク・ブラザーズ デトロイトの黒人ミュージシャンの間ではモータウンのギャラの安さは常識となっていた(略) [そこを狙い]ゴールデン・ワールドとリック=ティック・レコードが行動を起こした。(略)モータウンのケチさかげんをあげつらい、モータウンの才能あるミュージシャンたちに、自分のところのセッションに参加してくれれば組合規準で金を支払うと誘いをかけた。ミュージシャンはこの話に食いついた。ヴァン・ダイク、ジェマーソン、ベンジャミン、その他何人かが週末にこっそりと抜け出してはバイトに精をだした。(略) エドウィン・スターの〈エージェント・ダブル・オー・ソウル〉(略) 〈ストップ・ハー・オン・サイト〉は、モータウン以外から発表された“モータウン・サウンド”の中で最高のレ
マーヴィン・ゲイ モータウン・レビュー 黒人音楽の変遷 前回の続き。 モータウン・ミュージック 作者:ネルソン ジョージメディア: 単行本 マーヴィン・ゲイ [62年当時ベリーの義理の兄のモータウン内での評価は低かった。上品なサパークラブ聴衆をターゲットにしたジャズ風味MOR路線アルバムは失敗。] またドラマーに逆戻りだな、と何人かの人間は思った。(略) [それでも62年7月、今度はダンス・レコード企画] マーヴィン自身はあまりハードなR&Bを歌うことに乗り気ではなかったが、アンナ・ゴーディーは派手な生活に慣れきってしまっていたし、マーヴィンのハンサムな顔だけでは請求書の支払いはできなかった。(略)マーヴィンも作曲に参加して、ヴァンデラスをバック・ヴォーカルに〈スタボーン・カインド・オヴ・フェロー〉がレコーディングされた。「男が叫んでいるのが聞こえるだろう。彼がハングリーだってこともわかる
アメリカの大富豪であるニコラス・バーグルエンの財団は、美術コレクションや文化財保護その他の多彩な活動をしていますが、そのうちのバーグルエン研究所は、政治・社会面の対立が続く21世紀の状況の改善に役立つような新たな哲学を摸索しており、哲学におけるノーベル賞となるべくバーグルエン哲学・文化賞を創設し、毎年、「人間の自己理解の形成と進歩」に貢献した思想家に授賞しています。 評論家の柄谷行人がアジア人初の受賞者に選ばれ、2023年4月に表彰されて賞金100万ドルを得たことで話題になりましたね。 このバーグルエン研究所は、東西交流による思想の発展をめざしているため、中国の大学などに拠点を置いて大がかりなシンポジウムを開催し、論文集を刊行しています。このところ力を入れているテーマが「共生」の問題です。 その研究活動の一環として、昨年12月に中国の北京大学で「共生」シンポジウムを開催する予定でしたが、い
79年前の今日(1945年2月16日)は、治安維持法違反(朝鮮独立運動)の疑いで逮捕され、福岡刑務所に送られた朝鮮の詩人・尹東柱が獄死した日である。 徐京植さんが、尹東柱「序詩」の翻訳をめぐる論争について論じた「母語という暴力―尹東柱を手がかりに考える」(『植民地主義の暴力─「ことばの檻」から』所収)を全文公開します。 母語という暴力――尹東柱を手がかりに考える 民族詩人 尹東柱は日本でもよく知られた朝鮮語詩人である。韓国では中学校の「国語」で教えられる。 日本の同志社大学に留学中、治安維持法違反のかどで検挙された尹東柱は、朝鮮が日本の植民地支配から解放されるわずか半年前に福岡刑務所で獄死した。生前一冊の詩集も出せなかった彼はまったく無名の詩人であったが、解放後、友人などが保管していた詩稿が韓国で少しずつ公表され、一九四八年一月、詩集『空と風と星と詩』がソウルで刊行されて以後、広く愛読され
武井彩佳「〈和解〉のリアルポリティクス―ドイツ人とユダヤ人」~負の歴史に向き合うことの意味と、未来への道程 著者は、先月出版されたばかりの中公新書「歴史修正主義:ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで」が大きな反響を呼んでいる、ドイツ現代史・ホロコースト研究を専門とする学習院女子大学教授。私は中公新書を読む前に、まずこの著作から読んでみた。これは2017年刊の、著者の詳細な研究調査に基づく、重厚で説得力ある論考である。ものすごく重要な論点・視点満載の本著だが、素人の私としてはごくシンプルに、これを読んで把握した当時の流れや「核の部分」のみ述べてみようと思う。もっと詳細を知りたい方は、是非この貴重な論考を自身で読んでみてもらいたい。 ここで著者が言う「リアルポリティクス」とは、米ソ冷戦や米中対立などを論じるときによく使われる「パワーポリティクス」とは違い、「理想・理念や道義的理由から
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