企業情報システムを設計、開発、運用するための本質的で枯れないノウハウがある。例えば要件定義を含む業務設計やデータベース設計、運用設計などだ。こうした上流工程の楽しさを多くの技術者に伝えたいと考え、2010年から『IT勉強宴会』という一風変わった名称の勉強会を始め、2019年12月には第76回目を開催した。 狙いは上流工程のあれこれを議論し合う「ワイガヤ」の場を企業の枠を超えて提供すること。だから宴会と名付けた。ワイガヤは本田技研工業が始めた「課題やテーマを共有しながら自由にざっくばらんに話し合い、深いところにある答えを探り出していく」方法である。 企業情報システムの設計にもワイガヤが使える。自分の設計方針や設計結果を多くの仲間に見てもらい、話し合えば、自分の経験が仲間の経験になると共に自分も成長できる。レビューとは違い、結論を出すことに重きは置かず議論の中で気づきを得ることが重要だと思って