陸軍省作成のパンフレット『防諜』に、当時の日本人が表象した「スパイ」像がわかりやすく描いてあった。 このパンフレットは、右頁にイラスト+左頁に諜報の図解という構成となっていて、講師などが図解を見せながら説明していくことが前提で作られている。 アナログなパワーポイント書類といった風情だが、被害妄想にさいなまれている人が描く宇宙的陰謀の図のようにも見えてきて、背筋が寒くなるのです。 パンフレット『防諜』昭和14年4月、陸軍省。 このイラストの、右下のジョーカーみたいなのが「スパイ」だ! こんな奴を見たら憲兵さんに通報ダ! スパイは帽子だけ、マスクだけの時もあるから気ヲツケロ! これがスパイの手ダ! 「普通の日本人」の手と違うからすぐにわかるゾ!