千原ジュニアといえば、何? 「大喜利」と答える人がいるだろう。「すべらない話」と答える人もいるだろう。「そつのない司会」と答える人もいるだろうし、「残念な兄を持つ弟」と答える人もいるだろう。私にとっての千原ジュニアは「コント師」である。彼が手掛けるコントは、とにかく面白い。松本人志の影響を多分に受けていると言われがちなジュニアだが、少なくとも、コントに関しては彼の世界観が完全に形成されているように思う。 しかし、残念なことに、ジュニアのコント師としての側面はあまり語られていない。恐らく、彼がテレビなどのメディアを通じて、コントを披露してきたタイプの芸人ではないからだ。いや、そもそもの問題として、彼が生み出すコントの世界はあまりテレビ向きではない。ジュニアのコントは、例えば「エンタの神様」「爆笑レッドカーペット」などの娯楽番組で放送されているような、見た目に明るくて楽しいコントとは一線を画し