ファッションブランド「ZARA(ザラ)」を展開する衣料小売りインディテックスの創業者、アマンシオ・オルテガ氏は、スペイン一の富豪だ。昨年は北米と英国で10物件以上を20億ドル(約2700億円)超で買収し、世界の商業用不動産ポートフォリオを拡充した。 不動産仲介ナイト・フランクの「2023年ウェルス・リポート」によると、他の超富裕層とそのファミリーオフィスも引き続き商業用不動産に積極的に投資した。この資産クラスは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)とリモートワークの長期的な影響を最も大きく受けた一つだ。 富裕層とは対照的に、機関投資家はオフィスや物流施設、賃貸住宅など1兆1000億ドル(約150兆円)規模の商業用不動産市場でシェアを縮小させている。イージーマネー時代が終わり金利が上昇するに伴いデフォルト(債務不履行)が増え始めているからだ。 裕福な個人とファミリーオフィス、非公開