あらすじ 昔、「影ワニ」がでるから凪(なぎ)の海に漁に出てはならない掟がある漁村があった。 その掟が不満だった若い漁師ごんぞうは、せっかく天気も良く漁が出来る日にそんな掟を守るなど馬鹿げていると、村長が止めるのも聞かずに凪の海に漁に出る。 ごんぞうが漁をはじめると何事もなく漁は出来て、しかも大漁であった。迷信であったと確信したごんぞうは、岸から心配そうに見守る仲間に自慢ができると大はしゃぎで漁を続けた。 ところが、日が少し傾き、海面にうつる自分の影が大きくうつる頃になって、ごんぞうの体に痛みが走り服が裂けた。海面を見ると、巨大な魚の影が自分の影を啄むように食べている。影ワニが現れたのだった。 食べられるごとにごんぞうの服は裂け、体は傷つき血が流れた。どこから現れるか分からない影ワニとの戦いに恐怖と苦痛に体力も限界になるごんぞう。ぼんやりとする意識の中、浜を出る時に村長が言った言葉を思い出し