HOME > 関連情報 > 航空機乗務員の健康に係る疫学研究 航空機乗務員を対象とした初期の疫学研究は、軍用機乗務員の健康管理を主な目的として欧米で実施されてきました。最近、特に1990年半ば以降は、乗務員の一般的な健康状態だけでなく、宇宙放射線への被ばくの影響に着目し、民間機航空機乗務員を対象とした調査研究が欧州諸国を中心に盛んに実施されています。 航空機乗務員を対象とした疫学研究は、中性子や陽子への被ばくによる健康影響を直接評価できるという長所があります。一方、航空機乗務員の疫学研究はいくつかの限界を持ちます。特に、雇用時あるいは雇用中に定期的に厳しい健康診断を受け、健康な人だけが乗務員として働くことができるため、航空機乗務員の悪性腫瘍(がん)死亡率などを一般の人々と比較した場合、それらの死亡率は見かけ上低く現れます。こうした現象は「健康労働者効果(Healthy Worker Eff