体内で電気を作り出せるデンキウナギから着想を得た、体内で電気を作り出して心臓ペースメーカーなどの人工臓器やコンタクトレンズ型ディスプレイなどの小型端末の動力を得ようという研究が進められています。 An electric-eel-inspired soft power source from stacked hydrogels | Nature https://www.nature.com/articles/nature24670 Electric eel-inspired devices could power artificial human organs https://www.nature.com/articles/d41586-017-08617-3 デンキウナギからヒントを得た、人工発電システムのアイデアについては以下のムービーを見ればよくわかります。 Electric eel
島根大は、夜間看護で耳に掛けて使うLEDライトを開発したと発表した。ハンズフリーで、患者に気兼ねせずに手元を照らす明かりが欲しいという同大医学部付属病院の看護師の願いが形になった。島根県出雲市内の企業との共同開発で今秋の商品化を目指すという。 「入院患者にとって急に照らされるライトはまぶしく不快。でも、おむつ交換や口の中のケアなど夜間に両手を使った細かい作業は多い。両立させるようなライトが欲しい」 そう思っていた看護師の矢野牧江さん(57)は2年前の秋、大学が医学部と付属病院の職員を対象に実施した医療機器の開発用のアンケートに要望した。懐中電灯を使っている普段の業務経験を元に、耳掛け式なら視線とライトの照らす方向が重なり、両手で作業に集中できると考えたからだ。 これに大学側が「新規性があり、薬事法の承認などの手続きも不要」と注目。昨年3月から、LED照明器具の製造販売会社「Doライト」(同
世界初。カーボンナノチューブ、人の肺で見つかる2015.10.23 23:005,484 satomi 鼻から? パリ大学サクレー校がパリ市内のぜんそく児童64人の肺を調べてみたら全員、肺の中にカーボンナノチューブを持っていることがわかりました。人の体内からカーボンナノチューブが発見されたのはこれが世界で初めてです。 カーボンナノチューブは炭素分子が管状になった物質で、グラフェンのシートを筒状にぐるぐる巻きにしたようなもの。軽量で、導電性、強度、弾性に優れ、ナノテクノロジー、半導体、光学機器などの分野で特に人気が高い物質です。 パリ大学ではぜんそく児童64人の気管から採取した液体を調べてみたのですが、そこには全員ひとり残らずカーボンナノチューブがあったのだとか。うち5人は、肺の免疫細胞「マクロファージ(大食細胞)」からもカーボンナノチューブが発見されました。マクロファージは、気管から体に良
「私もうんこを漏らしたことがあります」 ベンチャー企業が事業内容を紹介する「モーニングピッチ」で勇気ある告白をしたのは、トリプル・ダブリュー・ジャパンの中西敦士代表だ。 事前に分かっていればそんなことにはならなかったという思いから、おなかに貼るだけで排泄を予知するウェアラブルデバイス「ディーフリー(D Free)」を開発している。 5月からクラウドファンディングのIndiegogoおよびMakuakeで予約開始予定。価格は現在199ドル(2万3000円程度)の見込みだが、市販価格は50~100ドルまで下げたいという。日本とアメリカで最初に販売予定だ。出荷予定は12月。 ディーフリーは超音波センサーで膀胱や前立腺、直腸をモニターして、膨らみや振る舞いをもとに排泄を予知する仕組み。スマホとつながり、アプリが「10分後に出ます」と教えてくれる。アプリは便通の記録帳にもなっているので、女性はとくに
既存の針なし注射器は、バネの力で液体を高圧で発射し、皮膚を貫いて筋肉に薬剤を投与するものなどがあるが、神経を傷つける恐れや、多少の痛みを感じるなどの問題があった。 新開発の針なし注射器は、高速で発射した気泡がはじける力で皮膚に微細な穴を空け、その穴から、試薬をまとった微細な気泡を注入する。気泡のガスは収縮し、試薬だけが患部に届く。穴の直径は4μメートルほどで、細胞へのダメージも少なくて済む。 2012年に開発した「マイクロバブルインジェクションメス」を改良して開発した。マイクロバブルインジェクションメスは、液中で微細な気泡を連続して打ち出し、マイクロレベルの微細な穴を空けると同時に、試薬をまとった気泡を輸送できるメス。メスを覆うガラス製のシェルの位置を前方に突き出すことで細胞と気泡導入部との密着性を向上させ、空気中で使用できるようにした。 薬剤を皮下注射する際に利用できるほか、植物細胞を含
人の肌に針をプスリと刺して薬を注入する注射は、大人でもあまり好んで受けたくないもの。ましてや子どもや赤ちゃんともなればギャン泣きを引き起こす原因ともなり、できるものなら避けて通りたいものです。しかしそれでも健康や病気予防のために重要なワクチン注射を、従来にはない簡単さで効果的に行うことを可能にしてくれそうなのが指先サイズの小さな「ナノパッチ」です。 Mark Kendall: Demo: A needle-free vaccine patch that's safer and way cheaper | Video on TED.com http://www.ted.com/talks/mark_kendall_demo_a_needle_free_vaccine_patch_that_s_safer_and_way_cheaper.html ナノパッチを開発したオーストラリア・クイーンズ
今年3月に頭皮から首・歯・舌・筋肉・顎まで総入替えする「前例のない大掛かり」な全顔面移植手術を行ったリチャード・リー・ノリス(Richard Lee Norris)さん(37)の近影です。 ノリスさんは1997年に銃の事故で鼻・あご・唇・歯を失い、15年ずっと人目を避けて生きてきました。術後はまだ傷跡が痛々しかったのですが、ご覧のように腫れも引いて見違えるほどきれいになっているのがわかります! 執刀したのは米メリーランド大学。ここでは移植後の組織・筋肉・皮膚・骨に拒否反応が出ないような全顔面移植手術の研究を進めているのですが、その成果が生かされたかたちです。 顔面移植は血液型が合うだけではダメで、肌のトーン、骨格までマッチするドナーを探し、尚且つ家族の同意が必要。36時間におよぶ大手術ではまず専用の投薬から始め、手術中も強い免疫抑制剤を投与しました。薬は(拒否反応を抑えるため)術後も一生飲
オーダーメイド医療シリーズを書くと言いながら止めておきながらこんなことをして少し後ろめたいですが、頭の体操として。 妊婦血液で出生前検査 異常99%判明 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120829/t10014608571000.html これにおいて 「検査の対象は、胎児の染色体異常のリスクが高まる35歳以上の高齢出産妊婦などとしたうえで」 制限つける必要あるのかねえ というid:wdnsdyさんのコメントが現時点で一番スターが多くついています。ですがこれは絶対必要な条件です。成育医療センターと昭和大の先生方は適切にもこの年齢制限を設定した、というべきです。その理由は知っていさえすれば特に難しいことはなく、ブコメ欄にもいくつも手がかりとなるコメントを残している方はいますが、わかりやすく説明できるかどうかを試みてみるものです。 個人から見た検査の精度
By Lawrence Berkeley National Laboratory 慶應義塾大学環境情報学部の教授で、慶應義塾大学先端生命科学研究所の所長でもある冨田勝教授が、自身の全ゲノム配列を解析して公開しました。日本人が実名で全ゲノム配列を公開するのは初の事例です。 日本人初、本学教授が実名で自身の個人全ゲノムを公開 -湘南藤沢キャンパス(SFC)にて公開ゲノムを用いた授業も開講-:[慶應義塾] 「ゲノム(Genom)」という単語はドイツの植物学者ハンス・ウィンクラーが1920年に作ったもの。オックスフォード英語辞典によるとGene(遺伝子)とChromosome(染色体)をあわせた造語だそうです。 1990年に発足した、ヒトのゲノムの全塩基配列を解析するプロジェクト「ヒトゲノム計画」は、13年と約30億ドル(約2347億円)を費やして2003年に完了。医学や創薬分野において大きな貢献
国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)などのグループが、重症心不全患者に対する治療として、恒久使用を目的にした補助人工心臓の開発に成功した。 血液を送り出すスクリューをポンプ内に浮かせる型式で、血栓を作りにくいという。恒久使用を目的に開発されたポンプでは世界最小で、2年後の臨床試験を目指す。人工心臓の多くは移植までのつなぎ役だが、恒久使用が実現すれば、移植を諦めていた患者も救えるとしている。 人工心臓のポンプの大きさは直径3センチ、長さ7・5センチ、重さ150グラムの円筒形。 恒久使用を目的に日本で開発された「エバハート」の420グラムに比べ、重さは約3分の1になった。今回の人工心臓は、左心室と大動脈の間に人工血管でつないで腹部に埋め込まれ、衰弱した左心室の機能を助ける。 ポンプ内のスクリューは電磁石の力で回転し、血流を作り出す。ポンプ内壁とも接しないことから「非接触型」と呼ばれる。部品
カナダ・オンタリオ州の医療チームがXboxのモーションコントローラ「Kinect」を外科手術の現場で採用することによって、執刀医の作業負担を大幅に削減することができたそうです。 どのような感じで使っているのかというムービーなどは以下から。 Xbox useful to surgeons - Sunnybrook Hospital YouTube - Xbox Kinect in the hospital operating room これはトロント大学の研修医とサニーブルック・ヘルス・サイエンス・センターのがん外科医による医療技術グループによるもので、手術中の重症患者の画像視認技術として用いているとのこと。 そもそもガンなどの外科手術では、MRIやCRTスキャンの画像を視認するために、手術中に無菌領域を離れる必要があり、この問題を打開する為に医療チームは手術室のコンピュータにXboxを接続
患者本人が自分の心臓インプラントを作成。現在23人がそのインプラントを使用中!2011.01.31 23:00 自分のことは自分が1番わかってるんだ! あたしのことはあたしに任せときな、って気分ですね。 イギリス人の開発者Tal Golesworthyさんは2004年に、自分の心臓にいれ込むインプラントを自ら制作しました。自分がデザインしたやつの方が、使用される予定だったものよりもいいと気づいてお医者さんに相談。大動脈のバルブの代わりになるものだったそうです。 マルファン症候群のため、Talさんは機械バルブを体内に埋め込まなければいけないとお医者さんから言われました。その時、Talさんは自分の手で埋め込むインプランとを制作しようと思ったのだそうです。MRIやCAD、試作品を作る多くの技術を駆使してTalさんは自分の大動脈の3Dモデルを作成。それを元に、血管破裂を防ぐために大動脈にかぶせるポ
虫歯などで歯を失うことはあるかと思われますが、歯や歯根を完全に再生するという技術が登場しました。 すでに再生実験には成功しており、今後は人間の歯を完全再生できるよう、応用研究が進められるとされています。 詳細は以下から。 新潟日報社 netpark ::: 体外培養で世界初、歯の再生に成功 新潟日報社の報道によると、日本歯科大生命歯学部の中原貴教授と同大学新潟生命歯学部の佐藤聡教授らの研究チームが、歯の一部を使って歯を再生する培養方法の開発に成功したそうです。体外での培養は世界初の試みで、日本口腔外科学会の最優秀賞を受けたとのこと。 今回の実験ではマウスの歯冠(歯の先端部分)を、人の歯根(歯の根)を包む膜の細胞をシート状にしたもので包み、試験管で培養したというもの。この技術は人工歯根(インプラント)に代わる歯の再生医療につながると期待されており、3年後をめどに人の歯でも完全再生できるよう応
人工血管を「印刷」して製造:画像ギャラリー 2010年7月23日 サイエンス・テクノロジー コメント: トラックバック (0) 再生医療企業の米Organovo社は、臓器を「印刷」して再生する技術を開発している。現在は印刷された血管を動物実験しようとしているところだが、人間での臨床実験も成功したら、数年以内に、自分自身の細胞から増殖させて印刷した血管を、老朽化した血管に置き換えることが可能になるかもしれない。 バイオリアクター Organovo社の上級研究員Ben Shepherd氏が、培養器の中にバイオリアクターを設置しているところ。[バイオリアクター(bioreactor)は、生体触媒を用いて生化学反応を行なう装置の総称] ここで数日間かけて細胞を培養する。細胞が体内で成長する環境に近い、特別な組み合わせの化学物質が供給され、細胞が丈夫な血管組織になるのを助ける。 Photos: Da
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