JR東日本が仏タレスと進めていた常磐緩行線への運行管理・列車制御システム(CBTC)導入を断念したことが分かった。欧州企業が国内の鉄道システムを手がける初の事例として注目されていた。今後採用する次世代の列車制御は日立製作所、三菱電機と共同で開発した無線式列車制御システム「ATACS(アタックス)」を軸に進めていく。 JR東日本は2020年の導入を目指してタレスと設計作業を進めていたが、技術課題と費用の面から実現困難と判断した。既存の運行管理システム「ATOS(アトス)」との整合性や鉄道無線で使う周波数の違いなどを克服するには設備投資がかさみ、費用対効果が見込めなかった。 CBTCは無線式列車制御と運行管理機能を併せ持つ国際規格対応のシステムで、海外の地下鉄など都市鉄道に普及する。自動運転に展開できる技術で、国内の鉄道システムメーカーも開発や海外での営業に力を注ぐ。国内の鉄道事業者は22年に