モノづくりが好きな少年時代 厚生労働省は毎年、卓越した技能を持つ技術者や職人を「現代の名工」として表彰しています。2023年、視覚に障害のある人で初めて選ばれたのが齋藤正夫さん(75)です。 石川県小松市で盲導犬と共に過ごす齋藤さんは、パソコン画面の情報を音声で読み上げるソフト「スクリーンリーダー」を開発しました。視覚に障害のある人たちのコミュニケーション手段を広げたことが高く評価されています。 「突然、そういう話(表彰)を聞きまして、ちょっとドギマギしましたね、思いがけないことなので。(表彰が)決まってから、古い仲間たちからどんどんお祝いのメッセージやら電話やらいただいて、みんな義理堅いなとしみじみ思いました。異口同音に自分のことのようにうれしいと言ってもらえたんですよ。それが本当にうれしかったですね」(齋藤さん) ソフトを開発したきっかけは、視覚に障害があってもパソコンを自由に使いたい