1ヵ月ほど間が空いてしまったが、連載748回の続きとなる。ただ、来週からはCESで発表された製品を取り上げるので、また少し間が空く。 SiFiveがリリースしたRISC-VベースのIP「E31」を 複数のメーカーが採用する 米国ではRISC-Vを実装したIPと、そのIPを利用したシリコンが2017年頃から次第に登場し始めた。SiFiveは先行者利益をフルに享受したベンダーの一社であり、実際同社が最初にリリースしたE31はいろいろなメーカーに採用された。 1つの例は(2018年にMicrochipに買収された)Microsemiである。Microsemiはまず自社のFPGAにE31を移植、自社のFPGAファブリック上でE31が利用できるようにした。ほかにもE31はいくつものベンダーにライセンスされており、この成功もあってRISC-VのIPベンダーとしての地位を確立した格好だ。 そのほかのベン
面白そうなので買ってみました。物理本は送料が意外と高かったので電子書籍版を買いました。 https://www.lambdanote.com/products/cpu プログラマーのためのCPU入門 ― CPUは如何にしてソフトウェアを高速に実行するかwww.lambdanote.com ざっくりと眺めましたが、タイトルに偽りなし、ソフトウェアエンジニアにとって、ハードウェアをどのように理解すればよいか、ということに重きが置かれています。これでハードウェアが書けるようになるというわけではないので、そこは勘違いしないようにしたい。 実際問題、ソフトウェアエンジニアの人たちは、サービスの速度向上を図りたいとき、どのようなアプローチをとっているのだろう?というのは興味があるところです。まさかフロントエンドエンジニアが「このサブルーチンはこういう命令に変換されるから...」ということを考えてプログ
仕事柄論文を読む機会は多くあって、自分なりの読み方、まとめ方、深堀の仕方などはある程度ルーティンがあります。しかしそれが本当に最適解なのかどうかは分かりません。もっと自分に合ったやり方があるかもしれないし、今の方法がベストなのかもしれない。 "How to read a paper" という、論文、というか論文形式のメモがあり、これは当時カナダのWaterloo大学にいたSrinivasan Keshav先生が長年の経験からどのように論文を読めばよいのかというのをまとめたものになっています。これを読んでみて、なるほどなと思ったのでメモとして残しておきます。 ちなみに検索するとこの先生は現在はケンブリッジ大学の先生のようです。よく見てみると日本語に訳されている方もいるようで、原文と日本語訳は一読の価値があります。 http://svr-sk818-web.cl.cam.ac.uk/kesha
この記事は2022年天文情報学AdventCalendar12/19の記事です。とりあえずカレンダーを作ってみた者です。そして内容はネタ記事です。何というかすみません。 皆さんは「スーパーコンピュータ」と聞くと何を思い浮かべるでしょうか。今であれば富岳でしょうし、ちょっと前なら京、地球シミュレータ、とまぁ現在も比較的日本が頑張っているコンピューティングの一分野ではないかと思います。そもそもスーパーコンピュータとは何ぞや、という話もある訳ですが(そのあたりはWikipediaを参照していただくとして)、基本的には複雑なシミュレーションを高速に行う為に使われるコンピュータ、というところかと思います。 とにかく大量の演算をこなす事が特徴のスーパーコンピュータですから当然のように相当な予算が投入されてナンボの分野ではあるのですが、かつてシミュレーション天文学の専用計算機として僅か20万円で創られた
RISC-Vの進化を牽引するEsperantoの挑戦。シンプルなアイデアと実装の困難さ―Dave Ditzelへのインタビュー 2022年8月、2年半ぶりに渡米した際にAIアクセラレータを開発する企業を2つ訪問しました。1つは前回記事のCerebras Systems、そしてもう1つがEsperanto Technologiesです(写真1)。 写真1 オフィスのあるビル。カリフォルニアの青空がよく合います Esperanto社はRISC-Vを牽引してきた企業の1つです。そのFounderであるDave Ditzel氏は、1980年にDavid PattersonがRISCのアイデアを提示した有名な論文[1]の共著者であり、長くプロセッサ業界の第一線を走り続けているエンジニアです。筆者がDaveに初めて取材したのは2004年でしたが、それ以来[2]、何年かおきにDaveと会い、そのとき
モチベーション なぜRustを選んだか? 私はQEMUは「アーキテクチャエミュレーション界のLLVM」だと思っている QEMUが高速な理由:TCG Binary Translation ゲスト命令(RISC-V) → TCG → ホスト命令(x86)の処理をRustで作ろう RISC-Vの命令をフェッチしてデコードする RISC-Vの命令をTCGに変換する TCGをx86に変換する 実装結果 Binary Translation実行を高速化するための様々なテクニック BasicBlock分まで複数命令をまとめて変換 TCG Block Chainingの実装 評価結果 TB Lookup and Jumpの実装 評価結果 まだ完成していないところ 一部の最適化はまだ未実装となっている ゲストアーキテクチャがx86のみとなっている。TCGによる複数プラットフォーム対応として、まずは環境のそろ
この記事はFPGA開発日記の祝2,000記事到達の記念に書いているものです。 普段の記事と比べて非常にエモい内容となっております。 FPGA開発日記を始めたのが2015年の1月4日。それからおよそ5年と10か月で2,000記事に到達した。 計算してみると2,115日での2,000記事達成となっていた。我ながらよく頑張った。 ブログを書き始めてもう5年以上経った。5年も経てば周りの状況も変わるし、生活環境も変わる。 私も歳を取り、決して若いとは言えない年齢になった。昔のように徹夜で勉強とか実装はできなくなったし、肩は凝るし集中力は続かない。夜になるとすごく眠たくなる。仕事が終わったらすぐ眠たくなってしまい、趣味やブログを執筆する時間を取るのがとても難しくなってきた。 私が年を取れば取るほど、若い実装力のある、優秀な人たちが参入してきて、私の何倍ものスピードで成果を出していく。 私が持っている
各ボードの詳細はこちらをご参照下さい。 この他にも、スイッチとLEDがそれぞれ4個以上搭載されているFPGAボードなら、ほぼ確実に動くと思われます。 いろいろな方への紹介文 本書の主な想定読者は、電気や回路や CPU について何も知らない方です。 しかし回路に詳しい方々からも、「こんな考え方があるのか!」という驚きの声を多数いただいております。 筆者として、本当に嬉しい限りです。 様々なバックグラウンドの方に楽しんでいただくために、以下に10通りの紹介文をひねり出したので、興味のある項目に目を通してもらえると幸いです。 電気や回路を全然知らない方へ プログラマーの方へ 情報学科の学生さんへ 論理回路を教えておられる先生方へ FPGAに挫折した経験のある方へ ハードウェア記述言語に詳しい方へ アナログ回路に詳しい方へ 物理に詳しい方へ 数学に詳しい方へ 人間の欲望を重視する方へ 電気や回路を
インターフェースを毎号買って読んでいる方なら「おいおいこの話は先月号に載せるべき話じゃないのかい?」と言うことに気が付くと思います。私もそう思います。が、どうやら編集担当さんによりページ数のミスが発生した模様(本当かどうかは知りませんが)で、なぜか私の記事が吹っ飛ばされて次号に掲載となりましたとさ。なんじゃそりゃ。 CQ出版さんの雑誌インターフェースの6月号「Rustで作る命令セット・シミュレータ」として原稿を寄稿させて頂きました。ちなみに6月号はどんな特集の内容なのか私も把握していないので、どういう話の流れでRustの特集が挿入されるのか全く知りません。たぶん単発記事として前後に関係なく載るのでしょう。 正直私はRustについてまだまだ初心者で、とても原稿を書けるような技術力の持ち主ではないのですが、C++をメインに使っている人間がRustに移行するために色々と試行錯誤した話だととらえて
年末ですね。年末に技術っぽいことを書いても誰も見ていないので、どうでもいいことを書こうと思います。 皆さん技術書は好きですか?好きですよね。読みもしないのに技術書典なんかに大挙して押しかけて、結局積読が増えていく。積んでいるとなんか落ち着くのかもしれません。 私は現在ハードウェア関連の技術者として働いているわけですが、短い人生の中で読んだ技術書の中で、本当に私の人生を変えてしまった技術書を思い出しながら紹介してみたいと思います。 あらかじめ断っておきますが、「名著」や「良い本」を紹介するのではなく、あくまでも私の人生を変えた本です。逆にいうと、あまり名著は出てきません。名著の紹介はすでにいろんなところでやられているので、そちらを見ていただければ。 1. 図解で分かるPCアーキテクチャのすべて(初版) 〈最新〉図解でわかる PCアーキテクチャのすべて 作者:小泉 修出版社/メーカー: 日本実
aptpodでは複数のカメラをフレーム単位で同期させて映像を取得できるカメラデバイスの開発を行なっています。前日の記事では、このカメラデバイスのエンコードを担当するSoCの話でしたが、aptpod Advent Calendar 2019 13日目の今回は映像のフロントエンドに使用しているFPGAについての話題です。 カメラデバイスを開発する上で、FPGAでイメージセンサから取得した画像データをリサイズする機能を実装する必要が出てきたのですが、RTL設計経験のない私でも流行りの高位合成でサクッと実装できた話をまとめます。 前日に続き塩出が担当します。 話の流れ まずは高位合成の説明 高位合成での実装手順 アルゴリズムのC++ソース記述方法 C++でのテストベンチ記述方法 シミュレーション結果の確認 まとめ 高位合成とは? 高位合成の詳しい話は色々記事が出ておりますので、そちらを参照してくだ
@tksです。中国には元号もGWもありませんがたくさんスタートアップとガジェットがあります。IngiegogoでSipeed MAIX : The World First RISC-V 64 AI Module が大ヒットしたことで話題の、深圳Sipeed社に行ってきました! 左が創業者でCEOのOrgmar(オーグマー)さん SipeedはAIエッジコンピューティングのボードを作っているスタートアップです。エッジコンピューティングとは、クラウド上のAIと連携はするのだけど、処理能力の高い端末でローカルでも処理をしてしまうという考え方です。たとえば、カメラと人物認識まではローカル側で行ってしまい、特定できた情報だけをクラウド側に送る等の用途で、なので中央のAIクラウドに対して周縁のedgeという言葉が使われます。 SipeedではRISC-Vに限らずFPGA,Linuxボードなど、いくつも
注意:タイトルは煽りです。この記事は筆者の主観が入っており、正確なものではありません。ネタ的な話なので軽く聞き流してください。 はじめに この話をするにあたって、まず言葉の定義をしておきます。多分、ここの認識が違っていると、以降の話で混乱します。なお、ここでの定義は記事の後の方で再定義されることがあります。 ハードウェアとソフトウェア そもそもハードウェアとソフトウェアって何でしょう? 私にとって、ハードウェアとソフトウェアは、「仮に100人にサービスを提供したい場合、100「個」作って個人個人に配る必要があれば、それはハードウェア、1「個」作って個人個人のハードウェアにダウンロードできるのはソフトウェア」です。 例えば、コンピューターシステムの場合、CPU、メモリ、ストレージ等はハードウェアで、そのCPUで動く命令列やデータはソフトウェアです。あるいは、家庭用ゲームの場合、PlaySta
論理回路考古学のススメ - FPGAで作る互換機の世界 - by pgate1 初版 2018/12/08 改訂 2020/11/19 目次 • 自己紹介 • レトロハードウェア互換機とは • 作ったモノ • 開発環境の紹介 • 論理回路考古学としての事例 • 振り返り 2 こんにちは! • かんな丸@pgate1 • 高専 ロボコン・プロコン・ソーラー ボート等の活動 • 大学 非同期ビットシリアル動的再構成 アーキテクチャの研究 • 稀代のSFL使い • https://pgate1.at-ninja.jp 3 互換機 オリジナル ハードウェア レトロハードウェア互換機とは • オリジナルハードウェアと差し替えてもソフトが動く – レトロハードウェアを維持し続けるのは難しい。 • Re:Creatorsによるクローンシステム ソフトウェア ソフトウェア 差し替え オリジナルと同様の 動
私はFPGAの専門ではありませんが、数年前から仕事でFPGA開発の依頼を受けるようになりました。周りに経験者もほとんどおらず試行錯誤しながらなんとか幾つかの依頼をこなしてきましたので、超初心者目線でFPGAの仕組みと開発方法に関してまとめてみます。 FPGAとは 集積回路の中のFPGA FPGAの仕組み FPGAの開発 FPGAの開発環境 論理回路の記述 論理合成、ピン割り付け、配置配線、ダウンロード おわりに FPGAとは FPGAとはField Plogrammable Gate Arayの略で、現場でプログラム可能な論理回路のことです。 簡単な論理回路であれば半田ごてと汎用ICを使って開発をすることもできますが、 大規模になると難しくなりますし、 一度作った回路を修正するのはとても面倒です。FPGAであれば何度でも書き換え可能で、ハードウェアを修正する必要もありません。 集積回路の中
CEDEC2015「加算合成コストが0になる!?すぐに使えるP-MAPブレンドテクニック」発表スライドToshiyasu Miyabe
Windows 11 の Efinity で helloworld チュートリアルをやってみる3 ”Windows 11 の Efinity で helloworld チュートリアルをやってみる2”の続き。 ”Efinity® Trion® Tutorial UG-EFN-TUTORIAL-v7.0 August 2022”を参照して、helloworld チュートリアルをやってみようということで、前回は、”3.2 Synthesize the Design”と”3.3 Perform Post-Map Simulation”を行った。今回は、”3.4 Build the Device Interface”をやってみよう。 3.4 Build the Device Interface ”Efinity® Trion® Tutorial UG-EFN-TUTORIAL-v7.0 August
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