ウクライナに侵攻するロシアの軍需企業が、戦車生産に必要な日本製や台湾製の精密機械の部品を調達し続けていることがわかった。日本経済新聞が入手した取引記録の内部資料によると侵攻した2022年2月以降、ロシアの同盟国ベラルーシの政権関係者が中国に設けた企業を通じて各種の部品を買い取り、ロシアに送っていた。ロシアの軍需産業を狙った制裁が第三国経由の貿易などで有効に機能していない実態が浮き彫りになった。
かつてはジャパン・アズ・ナンバーワンと世界の賞賛を浴びた「ものづくり大国」日本。しかし近年は中国、韓国、台湾などの目覚ましい成長によって、その地位を追われた。とりわけ、先端分野での遅れは目を覆うばかりだ。元経産官僚の古賀茂明による新刊『官邸の暴走』から、凋落が止まらない日本の製造業の現状について、一部編集のうえで紹介する。 「日の丸」産業の凋落が顕著に 90年頃までの日本製造業は、「飛ぶ鳥を落とす勢い」という言葉がぴったりだった。日本の黄金期の産業と言えば、電機産業。テレビ、白物・黒物家電、液晶パネル、パソコン、携帯電話、半導体、太陽光パネルなど、「日本製」の機器は「高性能で壊れにくく、それでいて価格がリーズナブル」と三拍子そろった優等生だった。 ソニーと言えば先進的な電機製品の代名詞として、世界で通用した。テレビの中心的部品である液晶パネルにおいても、90年代まではシェア上位10社のうち
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